住宅特定改修特別税額控除とは?補助金を差し引く計算方法と2026年の補助金一覧【完全解説】

住宅特定改修特別税額控除とは?補助金を差し引く計算方法と申請書の書き方【2025年版】

最終更新日:2026年5月9日 執筆:Tetsuya(住宅ローンアドバイザー)

住宅特定改修特別税額控除とは?補助金を差し引く計算方法と2026年の補助金一覧【完全解説】

「住宅特定改修特別税額控除で補助金を受けた場合、どう差し引いて計算すればいい?」という疑問を持つ方のために、控除の仕組み・補助金との差引計算・2026年対応の主要補助金一覧・申告書の書き方を完全解説します。正しく計算しないと税務署から指摘されることがあるため、計算ステップと実例をまとめました。


目次

住宅特定改修特別税額控除とは

住宅特定改修特別税額控除は、省エネ改修・バリアフリー改修・耐震改修・同居対応改修などを行った場合に、所得税から直接差し引かれる控除制度です。

住宅ローン控除と異なり、ローンがなくても自己資金での工事なら申請できるのが大きな特徴です。

対象となる改修工事の種類と控除上限

改修の種類主な工事内容控除率対象工事費上限
省エネ改修断熱材設置・窓の複層ガラス化・高効率給湯器等10%250万円(太陽光発電含む場合350万円)
バリアフリー改修手すり設置・段差解消・廊下拡幅等10%200万円
耐震改修耐震診断に基づく補強工事10%250万円
同居対応改修キッチン・浴室・トイレの増設等10%250万円

控除額は所得税から直接差し引かれます。控除しきれない場合、翌年度の住民税から一部控除できる制度もあります(後述)。


補助金を受けた場合の「差し引き計算」が必須

住宅特定改修特別税額控除を申請する際、国・自治体・事業者から受け取った補助金・給付金は工事費用から差し引く必要があります。

なぜ差し引かなければならないのか

同一工事に対して「補助金で公費負担」と「税額控除で減税」の二重恩恵を受けることを防ぐためです。補助金を差し引かずに申告すると「過少申告」として税務署から指摘を受ける場合があります。

基本的な計算の流れ

① 実際の工事費を確認する 例:断熱改修工事費 300万円

② 受け取った補助金を確認する 例:「先進的窓リノベ2024」補助金 60万円

③ 補助金を差し引いた「控除対象工事費」を算出する 300万円 – 60万円 = 240万円(控除対象工事費)

④ 控除額を計算する(控除率10%) 240万円 × 10% = 24万円(税額控除額)


2026年(2025年実施工事)の主要補助金一覧

2026年の確定申告で申告する方が対象となる主な住宅補助金プログラムと、差し引く際の注意点をまとめました。

補助金プログラム対象工事最大補助額目安差し引き要否
先進的窓リノベ2024窓断熱(交換・内窓設置)最大200万円必要
子育てエコホーム支援事業高断熱住宅新築・省エネリフォームリフォームは最大30〜60万円必要
給湯省エネ2024事業高効率給湯器設置(エコキュート等)機器により2〜13万円必要
断熱窓への改修促進等事業(公庫融資)断熱改修全般対象融資との組み合わせ要確認
介護保険 住宅改修費バリアフリー改修上限20万円(負担割合差し引き後)必要
各自治体の省エネ補助金断熱・省エネ設備自治体により異なる必要

補助金プログラムは毎年更新されます。工事実施前に最新情報を国土交通省・環境省・経済産業省の公式サイトで確認してください。


補助金別・計算シミュレーション

シミュレーション①:窓断熱リフォーム+先進的窓リノベ補助金

項目金額
実際の断熱窓工事費(窓5箇所)280万円
先進的窓リノベ2024 補助金100万円
控除対象工事費180万円
省エネ改修の控除上限(250万円以内)対象全額
控除額(10%)18万円

シミュレーション②:バリアフリー改修+介護保険給付

項目金額
バリアフリー改修費(手すり・段差解消)80万円
介護保険 住宅改修費(上限20万円・1割負担)18万円(給付分)
控除対象工事費62万円
控除額(10%)6万2,000円

シミュレーション③:省エネ改修で上限を超えた場合

項目金額
断熱改修総工事費400万円
受け取った補助金80万円
補助金差引後320万円
省エネ改修の控除上限250万円(上限あり)
控除対象工事費(上限適用後)250万円
控除額(10%)25万円

シミュレーション④:子育て世帯の省エネリフォーム

項目金額
断熱窓・壁断熱工事費200万円
子育てエコホーム支援事業 補助金40万円
控除対象工事費160万円
控除額(10%)16万円

複数の改修工事を組み合わせた場合の計算

同年に省エネ改修とバリアフリー改修の両方を実施した場合、工事の種類ごとに控除上限を適用して合計します。

例:省エネ改修200万円+バリアフリー改修80万円

工事種類実工事費補助金差引後適用上限控除対象
省エネ改修200万円30万円170万円250万円170万円
バリアフリー改修80万円18万円62万円200万円62万円
合計280万円48万円232万円232万円

控除額:232万円 × 10% = 23万2,000円


控除しきれない場合の住民税控除

所得税が少なく、控除額を所得税から全額差し引けない場合、翌年度の住民税から一部を控除できる制度があります。

改修種類住民税からの控除可否控除上限(住民税分)
省エネ改修控除額の5%または12.5万円のいずれか少ない額
バリアフリー改修控除額の5%または7.5万円のいずれか少ない額
耐震改修不可
同居対応改修不可

住民税控除は居住する市区町村への申告が必要な場合があります。確定申告書提出時に税務署で確認してください。


申告書の書き方:「住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書」

確定申告では「住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書(国税庁書式)」を使います。

Step 1:工事の種類を選択 省エネ・バリアフリー・耐震・同居対応から対象工事を選択。複数該当する場合は種類ごとに記入。

Step 2:「対象工事費等の額」を記入 実際の工事費(消費税込み)を記入。

Step 3:「補助金等の額」を差し引く 受け取った補助金・給付金・贈与等の合計額を記入して差し引く。

Step 4:「標準的な費用の額」と比較して少ない方を採用 国土交通省告示の「標準的な工事費用」と実際の工事費を比較し、少ない方を控除対象工事費とする。

Step 5:控除額を計算(10%) 控除対象工事費 × 10% = 控除額(上限は工事種類により25万円)


申請に必要な書類

書類取得先
住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書国税庁(e-Tax・税務署)
増改築等工事証明書建築士・登録住宅性能評価機関
補助金等の交付決定通知書補助金の交付元
工事請負契約書のコピー施工会社
工事代金の領収書のコピー施工会社
登記事項証明書(住宅の登記情報)法務局

「増改築等工事証明書」は施工会社や一級建築士が発行します。工事完了後すぐに依頼しましょう。


住宅ローン控除との関係

住宅特定改修特別税額控除と住宅ローン控除は、原則として同じ年に両方受けることができます。ただし、リフォームローン控除(租税特別措置法41条の3の2)は同一工事に対して住宅特定改修と選択適用となります。確定申告書を作成する際に、どちらの控除を適用するか確認してください。


よくある質問

** 補助金を差し引かずに申告するとどうなりますか?

補助金と税額控除の二重取りとして過少申告になる可能性があります。税務署から修正申告を求められることがあるため、必ず受け取った補助金を差し引いてください。

** 複数の補助金を受けた場合、全額差し引きますか?

はい、受け取った補助金の合計額を差し引きます。国の補助金・自治体の補助金・介護保険給付など、複数受けた場合はすべて合計して工事費から差し引いてください。

** 補助金が工事費を超えた場合はどうなりますか?

控除対象工事費がゼロになります。補助金が工事費と同額または上回る場合は、住宅特定改修特別税額控除の申請はできません。

** 住宅特定改修特別税額控除はいつまでに申請が必要ですか?

工事が完了した年の確定申告(翌年2〜3月)で申請します。

** 会社員でも確定申告が必要ですか?

初めて申請する年は確定申告が必要です。翌年以降は年末調整で対応できる場合があります。

** 所得税が少なくて控除しきれない場合はどうなりますか?

省エネ改修・バリアフリー改修は翌年度の住民税からも控除できる制度があります(上限あり)。詳細は前述の住民税控除の表を参照してください。


まとめ

  • 住宅特定改修特別税額控除は省エネ・バリアフリー・耐震・同居対応工事に適用
  • 補助金を受けた場合は必ず工事費から差し引いてから控除額を計算する
  • 2026年対応の主要補助金(先進的窓リノベ・子育てエコホーム等)も差し引き対象
  • 控除率は10%、対象工事費の上限は工事種類により200〜350万円
  • 控除しきれない場合は省エネ・バリアフリー改修に限り翌年度住民税からも控除可能
  • 「増改築等工事証明書」は工事完了後すぐに建築士に依頼する

控除制度・補助金プログラムは毎年変更されます。申告前に最新の国税庁公式情報または税理士にご確認ください(2026年5月時点)。


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【免責事項】本記事の情報は公開時点のものです。金利・制度は随時変更されますので、最新情報は各金融機関の公式サイトでご確認ください。住宅ローンのご契約は、専門家への相談のうえご自身の責任においてご判断ください。


参考文献・出典


免責事項

本記事は執筆時点の情報に基づいています。税制改正・金利変動・制度変更により最新情報と異なる場合があります。住宅ローンに関する最終判断は、必ず各金融機関・所轄税務署・ファイナンシャルプランナーへご相談のうえ、ご自身の責任において行ってください。→免責事項全文はこちら

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この記事を書いた人

銀行任せの契約で35年間に約300万円損しかけた経験から、住宅ローンを徹底研究。「専門用語を使わずに、一番得する銀行を選ぶ」がモットー。10行以上の仮審査や借り換えを実践した経験を元に、ユーザー目線の本音情報を発信しています。

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