住宅ローンは、車のローンやカードローンなど他の借り入れがあっても組めます。ただし審査では、すべての借り入れを合わせた返済負担率で見られ、フラット35の基準は年収400万円以上で35%以下。年収500万円なら、月1万円の返済があるだけで借りられる額は約260万円減る計算です。
この記事でわかること
- 審査で合算される「他の借り入れ」の範囲(リボ・分割払い・奨学金まで)
- 他の返済が月1万円・3万円あると、借入可能額がいくら減るか
- 住宅ローンで借金をまとめられる商品の条件と、まとめたときの総利息
- 申込前に完済・解約しておく順番
出典: 住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件」/ドコモSMTBネット銀行「住宅ローンプラス」(2026年10月7日に確認)
他の借り入れがあるときに借りられる額は、銀行ごとの見方で変わります。今の返済を入れた条件で、各行の借入見込みを先にまとめて見ておくと、どこに申し込むか決めやすくなります。
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住宅ローンの審査で合算される「他の借り入れ」とは
他の借り入れとは、これから借りる住宅ローン以外に、いま返済しているすべてのローンのことです。審査では、その返済額も年収に対する割合に足して見られます。
フラット35は、この割合を「総返済負担率」と呼んで基準を公表しています。
フラット35の総返済負担率の基準(2026年10月7日時点)
| 年収 | 基準(すべての借り入れの年間返済額÷年収) |
|---|---|
| 400万円未満 | 30%以下 |
| 400万円以上 | 35%以下 |
カードの分割払いやリボも「借り入れ」に入る
意外に見落としやすいのが、クレジットカードの使い方です。フラット35の条件では、カードのキャッシングに加えて、商品の分割払いやリボ払いでの買い物も借り入れに含めています。
返済負担率に足される主な借り入れ(フラット35の条件・三菱UFJ銀行の説明より)
| 借り入れの種類 | 合算されるか | 確かめた資料 |
|---|---|---|
| 車のローン(マイカーローン) | 入る | フラット35 |
| 教育ローン | 入る | フラット35 |
| カードローン・キャッシング | 入る | フラット35 |
| カードの分割払い・リボ払い | 入る | フラット35 |
| 奨学金 | 入る | 三菱UFJ銀行 |
| 賃貸中・賃貸予定の住宅のローン | 入る(1棟のアパートローンは除く) | フラット35 |
スマートフォン本体を分割で買っている場合も、商品の分割払いにあたるはずです。申込前に、家計の引き落とし明細を1か月分見直しておくと安心でしょう。
ほとんどの銀行が返済負担率を見ていることは、国の調査にも表れています。国土交通省の令和7年度の調査では、融資の審査項目に返済負担率を入れている機関が90.9%でした。審査で見られる項目全体は住宅ローンの審査基準とは?で一覧にしています。
他の返済が月1万円あると、借入可能額はいくら減るか
月1万円の返済があると、年収500万円では借りられる額が約260万円減ります(審査金利3%・35年の試算)。
年収500万円で返済負担率35%なら、すべてのローンに回せるのは月145,833円まで。ここから他の返済を引いた残りが、住宅ローンに使える枠です。
年収500万円・返済負担率35%・審査金利3%・35年の借入可能額(試算)
| 住宅ローン以外の返済(月) | 住宅ローンに回せる額(月) | 借りられる額の目安 |
|---|---|---|
| 0円 | 145,833円 | 約3,789万円 |
| 1万円 | 135,833円 | 約3,530万円 |
| 2万円 | 125,833円 | 約3,270万円 |
| 3万円 | 115,833円 | 約3,010万円 |
| 5万円 | 95,833円 | 約2,490万円 |
月3万円の車のローンが残っているだけで、借りられる額は約780万円下がります。審査金利が2%なら月1万円あたり約302万円、4%なら約226万円の差です。
銀行が審査に使う金利は公表されておらず、実際の金利より高めに置かれます。3%は試算のための仮の数字です。
他の返済は、住宅ローンの枠から先に引かれる
- 年収500万円・返済負担率35%の場合
- 1すべてのローンに回せる上限500万円×35%÷12=月145,833円
- 2他の返済を引く車のローン月3万円なら、残りは月115,833円
- 3残りを審査金利で借入額に直す3%・35年で約3,789万円→約3,010万円
月1万円の返済=借入可能額で約260万円(審査金利3%の場合)
図:他の借り入れは、住宅ローンに使える返済枠をそのまま削る。
カードローンは「残高」でなく「限度額」で見られることがある
カードローンは、使っていなくても影響が残る借り入れです。三菱UFJ銀行は、返済比率は残高ではなく利用限度額で試算するよう説明しています。
りそな銀行も、借入残高が0円でも契約枠があれば、限度額まで借りた前提で返済能力を見られる場合があるとしています。完済しただけで安心せず、使わないカードローンは解約まで済ませておく形が確実です。
年収そのものの目安と早見表は、住宅ローンは年収の何倍が目安?にまとめました。
他の返済をどう数えるかは、銀行ごとに違います。車のローンやカードの枠を入れた条件で各行の借入見込みを並べておくと、申し込む前に「どこなら届くか」が見えてきます。
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住宅ローンで他の借金をまとめられるか
ふつうの住宅ローンでは、他の借金はまとめられません。住宅ローンで使えるお金は、住む家を買うための資金に限られているからです。
西京銀行の案内では、住宅ローンで使える資金を次の3つとしています。
- 本人や家族が住む住宅を取得するための資金
- 住宅取得に必要な諸費用
- 他の金融機関からの住宅ローンの借換資金
フラット35の資金使途も、本人または親族が住む住宅の建設・購入資金です。りそな銀行も、家具の購入や引っ越し費用は住宅ローンの対象にならないとしています。
例外は「無担保ローンもまとめられる」住宅ローン
一部の銀行は、住宅の資金に消費性の資金を足して借りられる商品を用意しています。ドコモSMTBネット銀行の「住宅ローンプラス」が、その一例です。
通常の住宅ローンと「住宅ローンプラス」の違い(ドコモSMTBネット銀行の案内・2026年10月7日時点)
| 項目 | 通常の住宅ローン | 住宅ローンプラス |
|---|---|---|
| 車・カードなどのローン | まとめられない | まとめられる(無担保ローンのおまとめ) |
| 家電などの購入費 | 対象外 | 住宅ローンと同時なら借りられる |
| 上乗せできる上限 | — | 500万円と、住宅ローン借入額の50%の低い方 |
| 金利 | 住宅ローンの金利 | 住宅ローンの金利に上乗せ(審査で決定) |
| 住宅ローン控除 | 対象 | 上乗せ部分は対象外 |
生活資金や事業の資金には使えず、WEB申込コースとフラット35では申し込めません。こうした商品があるかどうかは、銀行ごとに確かめるしかありません。
上乗せできる費用は「家に関わるもの」が中心
商品によっては、家に関わる費用なら住宅ローンに含められます。中古住宅の購入と同時にするリノベーション費用はその代表で、仕組みは中古+リノベの費用は住宅ローンに一本化できる?で解説しました。
まとめると月の返済は下がるが、総利息は増えやすい
借金を住宅ローンにまとめると、毎月の返済は大きく下がる一方、返す期間が延びて利息の総額は増えやすくなります。
200万円の車のローンで比べてみました。上乗せ後の金利2.0%は、試算のための仮の数字です。
200万円を返す場合の比較(元利均等・ボーナス返済なし・試算)
| 返し方 | 毎月の返済 | 利息の総額 |
|---|---|---|
| 車のローンのまま(年2.5%・残り4年) | 43,828円 | 約10万円 |
| 住宅ローンにまとめる(仮に年2.0%・35年) | 6,625円 | 約78万円 |
金利が下がっても、4年で終わる返済を35年に延ばせば利息は約7倍。まとめた分は住宅ローン控除も受けられません。
200万円の車のローンをまとめると
- 金利
- 年2.5%(仮)
- 毎月
- 43,828円
- 利息の総額
- 約10万円
- 金利
- 年2.0%(仮)
- 毎月
- 6,625円
- 利息の総額
- 約78万円・控除の対象外
図:まとめると月の負担は軽くなるが、返す期間が延びた分だけ利息は増える。
まとめて浮いた月の返済分を繰り上げ返済に回せるなら、利息の差は縮められます。月々を軽くしたいのか、総額を抑えたいのか、先に決めてから選ぶのが順番です。
申込前に完済・解約しておく順番
申込前に整理するなら、延滞の解消→使っていない枠の解約→少額の借り入れの完済の順が効きます。手元のお金を減らしすぎない範囲で進めてください。
- 延滞があれば先に解消する:延滞の記録は、返済負担率より重く見られやすい項目
- 使っていないカードローン・キャッシング枠を解約する:残高0円でも限度額で見られることがある
- 少額のリボ・分割払いを完済する:残高の小さいものほど、少ないお金で負担率を下げられる
- 車のローンは頭金と比べて決める:一括で返すと頭金や諸費用のお金が減る
三菱UFJ銀行は、住宅ローンの融資条件として完済証明書の提出を求められることがあると説明しています。りそな銀行の説明でも、審査の結果としてカードローンの返済や解約が条件に付くことがある、という扱いでした。
審査中に新しいローンを組まない
事前審査が通ったあとに車を買うなどして借り入れが増えると、本審査はその後の状態で見られます。住宅ローンの契約が終わるまでは、新しいローンやカードの申し込みを控えておくのが安全です。
事前審査と本審査の間で結果が変わる理由は、住宅ローンの事前審査と本審査の違いで整理しました。
他の借り入れは、申込書に書かなくても信用情報でわかる
他の借り入れは、申込書に書かなくても銀行に伝わる仕組みになっています。三菱UFJ銀行は、金融機関はCIC・JICC・KSCの信用情報機関の情報をもとに審査していると説明しています。
奨学金も例外ではありません。日本学生支援機構は、返還が3か月以上遅れた人の情報を全国銀行個人信用情報センターに登録しています。延滞がなければ登録の対象にはなりませんが、返済額は返済負担率に足されます。
申込書の借入欄は、手元の明細と信用情報を見ながら正確に埋めてください。自分の信用情報を取り寄せて確かめる方法は、住宅ローン審査に落ちた後の再申し込みで手順をまとめました。
申込前に確かめる3つの紙
- 他の借り入れを正確に書くために
- 1口座とカードの引き落とし明細分割払い・リボ・スマホ本体の分割まで拾う
- 2信用情報の開示結果CIC・JICC・KSCで、契約中のローンと延滞の有無を見る
- 3完済・解約した証明完済証明書の提出を求められることがある
書いた内容と信用情報が一致していれば、審査で説明に困らない
図:借入欄は記憶でなく、明細と信用情報から書く。
よくある質問
Q1:車のローンがあると住宅ローンは組めませんか?
組めます。ただし車のローンの返済額も返済負担率に足されるため、借りられる額は減ります。年収500万円・審査金利3%・35年の試算では、月3万円の車のローンで約780万円少なくなります。
Q2:カードローンは完済すれば審査に影響しませんか?
解約までしておくのが確実です。三菱UFJ銀行は返済比率を利用限度額で試算するよう説明しており、りそな銀行も残高0円でも契約枠があれば限度額まで借りた前提で見られる場合があるとしています。
Q3:奨学金は住宅ローンの申込で申告しなくていいですか?
申告が必要です。三菱UFJ銀行は、返済比率の年間返済額に奨学金も含まれると説明しています。延滞が3か月以上続くと、日本学生支援機構から信用情報機関にも登録されます。
Q4:住宅ローンに借金を上乗せして借りられますか?
ふつうの住宅ローンではできません。住宅ローンで使えるのは、住む家の取得資金と諸費用、住宅ローンの借換資金です。ドコモSMTBネット銀行の住宅ローンプラスのように、無担保ローンのおまとめを最大500万円まで上乗せできる商品もありますが、金利の上乗せがあり、その分は住宅ローン控除を受けられません。
Q5:住宅ローンと車のローン、どちらを先に組むべきですか?
家を買う予定が近いなら、住宅ローンが先です。車のローンを先に組むと、その返済が負担率に入り、借りられる額が下がります。住宅ローンの審査中や契約前に新しいローンを組むのも避けてください。
まとめ
- 住宅ローンは他の借り入れがあっても組めるが、返済額は返済負担率に合算される
- 合算されるのは車・教育・カードローンに加え、カードの分割払いやリボ、奨学金まで
- 年収500万円・審査金利3%なら、月1万円の返済で借入可能額は約260万円減る
- ふつうの住宅ローンで借金はまとめられない。まとめられる商品は金利の上乗せがあり、控除の対象外
- 申込前は、延滞の解消→使わない枠の解約→少額の借り入れの完済の順で整理する
まずは今の借り入れを明細から書き出し、月の返済額を合計してみてください。年収の35%から引いた残りが、住宅ローンに使える枠の目安になります。
他の借り入れを整理したあとの条件で、各行の金利と借入見込みを並べてみると、申し込む順番を決めやすくなります。家計全体の返済計画まで相談したい場合は、無料FP相談おすすめ比較も参考にしてください。
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免責事項
※本記事は住宅金融支援機構・三菱UFJ銀行・りそな銀行・ドコモSMTBネット銀行・西京銀行・日本学生支援機構などの公表資料(2026年10月7日に確認)をもとに整理した一般的な解説です。借入可能額と返済額は、元利均等返済・ボーナス返済なし・金利一定などを仮定した目安で、実際の審査基準・金利・商品の条件は金融機関と申込内容により異なります。借入の判断は各金融機関の最新情報をご確認のうえ、必要に応じてファイナンシャルプランナー等の専門家へご相談ください。
