「住宅ローンの金利にはこだわったけれど、返済方法までは考えていなかった…」
そんな方が意外と多いのをご存知でしょうか。
住宅ローンの申し込み画面で必ず選択を迫られるのが、以下の2つの返済方法です。
- 元利均等返済(がんり きんとう へんさい)
- 元金均等返済(がんきん きんとう へんさい)
「名前が似すぎていて違いがわからない」と適当に選んでしまいがちですが、実はこの選択ひとつで、将来支払う利息の総額に「数十万円〜数百万円」もの差が出ることがあります。
この記事では、2つの返済方法の決定的な違いと、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
結論から言うと
多くの人は「元利均等返済」を選びますが、資金に余裕があるなら「元金均等返済」の方がトータルコストは安くなります。
自分はどちらを選ぶべきか?その判断基準をお伝えします。
一目でわかる!「元利均等」と「元金均等」の違い
漢字ばかりで難しく見えますが、仕組みは単純です。
「毎月の支払額がどう構成されているか」の違いを見てみましょう。
| 返済方法 | 毎月の支払額 | 特徴 |
|---|---|---|
| ① 元利均等返済 | ずーっと一定 | 毎月の返済額が変わらないので、家計管理が楽。 |
| ② 元金均等返済 | 最初は高く、 徐々に減る | 元金が早く減るので、トータルの利息が安くなる。 |
1. 元利均等返済(がんりきんとう)
「元金」+「利息」= 毎月一定額 になるように計算された方法です。
住宅ローン利用者の9割以上がこちらを選んでいると言われています。
- メリット:毎月の引き落とし額が変わらないので、将来の教育費や老後資金の計画が立てやすい。
- デメリット:初期は返済額の多くが「利息」に充てられるため、なかなか元金(借金そのもの)が減らない。
2. 元金均等返済(がんきんきんとう)
「元金」を毎月一定額返し、そこに「利息」を上乗せする方法です。
最初は利息が多いため返済額が高くなりますが、元金が減るにつれて利息も減り、毎月の支払額が徐々に安くなっていきます。
- メリット:元金が確実に減っていくため、総支払額(トータルコスト)が安く済む。
- デメリット:返済開始当初の支払額が最も高く、当初の家計負担が大きい。
【シミュレーション】総支払額はいくら違う?
では、実際にお金の話をしましょう。
「元金均等返済の方がお得」と言われますが、どれくらい差が出るのでしょうか。
【試算条件】
借入額:3,000万円
金利:1.5%(全期間固定)
期間:35年
| 項目 | 元利均等返済 | 元金均等返済 |
|---|---|---|
| 1回目の返済額 | 9.2万円 | 10.9万円 (最初は1.7万円高い) |
| 総支払額 (元金+利息) | 3,858万円 | 3,789万円 |
| 差額 | 基準 | 約69万円 お得! |
※概算シミュレーションです。金融機関により端数処理等が異なります。
いかがでしょうか。
同じ3,000万円を借りても、返済方法を変えるだけで約69万円も支払額が減ります。
これは、元金均等返済の方が「元金が早く減る(=利息がかかる対象が早く小さくなる)」ためです。
あなたに向いているのはどっち?選び方の基準
「じゃあ、お得な『元金均等返済』一択じゃないか!」と思われるかもしれませんが、そう単純ではありません。
それぞれのライフスタイルに合わせた選び方が重要です。
「元利均等返済」がおすすめな人
- 現在、子育てや教育費でお金がかかる時期の人
- 毎月の返済額を一定にして、家計簿を管理しやすくしたい人
- できるだけ多くの金額を借りたい人
(※審査の際、返済負担率の計算が有利になることが多いです)
多くの銀行では、デフォルト(標準)がこの元利均等返済になっています。「今の生活」を安定させたい方はこちらが基本です。
「元金均等返済」がおすすめな人
- 自己資金や収入に余裕があり、当初の返済額が高くても平気な人
- 退職金などで繰り上げ返済をする予定がない人
- とにかく「総支払額(利息)」を1円でも安くしたい人
- 高齢でローンを組む人(退職後に支払いが減っていくため安心)
「最初は苦しくても、後で楽をしたい」「無駄な金利は払いたくない」というストイックな方に向いています。
注意:銀行の審査が厳しくなる?
「元金均等返済」は最初の返済額が高いため、銀行の審査基準(返済比率)をクリアするために必要な年収が高くなります。
ギリギリの年収で審査を通そうとしている場合は、選べない(審査に落ちる)可能性があります。
まとめ:自分の「返済能力」と相談して決めよう
住宅ローンの2つの返済方法について解説しました。
記事の要点
- 元利均等:毎月一定額で楽。総額は高い。(利用者の9割)
- 元金均等:最初は高いが徐々に減る。総額は安い。
- 金銭的に余裕があるなら元金均等がお得だが、審査ハードルは上がる。
「トータルでお得だから」といって無理をして元金均等返済を選び、今の生活が苦しくなってしまっては本末転倒です。
一方で、資金にゆとりがあるのに、知らずに元利均等を選んで数十万円を損しているケースもあります。
まずは、金融機関のシミュレーションサイトで「自分の借入額なら、月々の支払いがどう変わるか」を試算してみてください。
その数字を見た上で、ご家族のライフプランに合った方法を選択しましょう。
