金銭消費貸借契約(金消契約)とは|住宅ローンの契約当日と印紙代

金銭消費貸借契約(金消契約)とは

金銭消費貸借契約(金消契約)とは、住宅ローンのお金を銀行から借りる約束を書面で交わす契約です。本審査に通ったあと、融資実行の前に結びます。紙の契約書なら借入額1,000万円超5,000万円以下で印紙税2万円、電子契約なら印紙は要りません。

この記事でわかること

  • 金銭消費貸借契約の意味と、住宅ローンで一緒に結ぶ契約
  • 金消契約を結ぶ時期と、銀行ごとの契約の期限
  • 当日の流れと、銀行から届く書類・自分で用意するもの
  • 借入額別の印紙税と、電子契約なら印紙がいらないこと
  • 契約書で読んでおく条項と、契約後に取り消せるか

出典: 国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表」/民法587条の2/ドコモSMTBネット銀行「住宅ローンご契約時の必要書類」ほか各行の公式案内(2026年10月7日に確認)

目次

金銭消費貸借契約(金消契約)とは

金銭消費貸借契約とは、借りたお金を決めた利息とあわせて返すと約束する契約です。住宅ローンでは、銀行と借りる人がこの契約を結んだ時点で、借入額・金利・返済のしかたが確定します。

略して「金消契約(きんしょうけいやく)」と呼ばれます。銀行の案内では「住宅ローン契約書」「ご契約」と書かれていることもあり、中身は同じです。

書面で結べば、お金を受け取る前に契約が成立する

民法587条は、消費貸借を「お金を受け取ることで効力が生じる」契約として定めています。一方、2020年4月に施行された改正民法で587条の2が加わりました。

書面でする消費貸借は、貸す・返すの合意だけで効力が生じるというルールです。電子契約で結んだものも書面とみなされます(同条4項)。

住宅ローンで、融資実行の数日前に契約を済ませておけるのはこのためです。改正の施行日は、法務省の案内で「一部の規定を除き、令和2年(2020年)4月1日」とされています。

住宅ローンで一緒に結ぶ契約

金消契約は単独では終わりません。買う家を担保にする契約と、ローンによっては保証会社との契約も同じ時期に結びます。

住宅ローンで結ぶ主な契約

契約相手決めること
金銭消費貸借契約銀行借入額・金利・返済期間・返済日
抵当権設定契約銀行(フラット35は住宅金融支援機構)買う家に抵当権をつける約束
保証委託契約保証会社(使うローンのみ)返せなくなったときの立て替え

抵当権の登記を担当するのは司法書士。ドコモSMTBネット銀行の案内でも、抵当権設定契約証書と登記の委任状は司法書士との面談で扱う書類に分けられています。

金消契約はいつ結ぶ?本審査の承認後、融資実行の前

金消契約は、本審査の承認が出たあと、融資実行日(物件の決済日)より前に結びます。三菱UFJ銀行の案内では、手続きは「事前審査のお申し込み→正式審査のお申し込み→ご契約→お借り入れ」の4段階です。

契約の期限は銀行ごとに決まっています。公式サイトで確認できたものを並べました。

銀行が案内している契約の期限(2026年10月7日確認)

銀行契約の方法期限・条件
りそな銀行電子契約(Web完結型・店頭型)借入希望日の5営業日前までに電子契約
ソニー銀行(借換え)電子契約か書面契約を選ぶ契約内容の確認は借入日の5日前まで
ドコモSMTBネット銀行郵送の契約書、またはWeb印鑑証明書は借入日より3ヵ月以内の発行

「5営業日前」は、土日や祝日を挟むと1週間以上前になります。決済日が決まったら、その日から逆算して契約日を押さえておくと慌てずに済みます。

適用される金利は、融資実行日のもの

見落としやすいのが、金利の決まる日です。ドコモSMTBネット銀行のフラット35の案内によると、適用金利は借入実行日の金利。申込時の金利は使われません。

三菱UFJ銀行も、金利を借りる月ごとに示しています。2026年10月1日現在の表示は「2026年10月にお借り入れの場合 変動金利は年1.195%」でした。9月下旬に契約して10月に実行するなら、使われるのは10月の金利です。

月末に契約して月初に実行する日程だと、契約書を読んだときと実際の金利が変わることがあります。固定金利の人ほど、実行月の金利の発表日を気にしておくと安心です。

金消契約は本審査と融資実行のあいだ

  • 事前審査・本審査に通る
  • 1金消契約を結ぶ借入額・返済期間・返済日が決まる。紙なら印紙を貼る
  • 2抵当権設定の書類を司法書士に渡す抵当権設定契約証書・委任状・印鑑証明書
  • 3融資実行(決済・引渡し)この日の金利が適用金利になる
  • 4返済予定表が届き、返済が始まる契約書と一緒に保管する

りそな銀行は電子契約を借入希望日の5営業日前までと案内している

図:金消契約は本審査のあと、融資実行の前に結ぶ。金利は契約日でなく実行日のものが使われる。

金消契約の当日の流れと持ち物

当日は、契約書の中身を確かめて署名・押印し、抵当権の登記を司法書士に頼むところまで進めます。電子契約なら、同じ確認を画面で行い電子署名をします。

  1. 契約内容の確認。借入額・金利・返済期間・毎月の返済日・引き落とし口座
  2. 金銭消費貸借契約書への署名・押印。電子契約は電子署名
  3. 抵当権設定契約と委任状。登記を司法書士に頼む書類
  4. 融資金の振込先の確認。売主や不動産会社への振込先

振込先の確認は見落としやすい項目です。ソニー銀行は、電子契約の依頼メールが届いたら「ご契約内容、振込先などを確認して」署名するよう案内しています。

銀行から届く書類と、自分で用意するもの

ドコモSMTBネット銀行は、契約時の書類を次の3つに分けて案内しています。

契約時の書類(ドコモSMTBネット銀行の例)

区分書類
銀行から郵送される金銭消費貸借契約書/金利変動リスク等に関する説明書/ご契約内容確認書
司法書士との面談で使う不動産抵当権設定契約証書/委任状
自分で用意する印鑑証明書(借入日より3ヵ月以内の発行)

連帯保証人や担保提供者がいる場合は、その人の印鑑証明書も同じ期限で必要です。Webで契約する人には、銀行から郵送する書類はないと同行は書いています。

事前審査から契約までの書類を段階ごとにまとめた一覧は、住宅ローンの必要書類を段階別に解説にあります。

金消契約の印紙代はいくら?電子契約なら不要

紙の金銭消費貸借契約書は印紙税がかかる書類です。借入額1,000万円超5,000万円以下なら印紙税は2万円です。3,000万円や4,000万円の借入はこの区分に入ります。

金銭消費貸借契約書の印紙税(国税庁・令和8年4月1日現在法令等)

契約書に書かれた借入額印紙税
100万円を超え500万円以下2,000円
500万円を超え1,000万円以下1万円
1,000万円を超え5,000万円以下2万円
5,000万円を超え1億円以下6万円
1億円を超え5億円以下10万円

国税庁のタックスアンサー No.7140 に「消費貸借に関する契約書」として載っている区分です。3,500万円なら2万円、5,500万円なら6万円になります。

印紙代を払うのは借りる人。ドコモSMTBネット銀行のフラット35一般条項集も、第11条で契約証書の作成費用を債務者の負担としています。

電子契約を選ぶと印紙はいらない

三菱UFJ銀行の案内は「電子契約なら、契約時印紙代も来店も不要」。りそな銀行も、電子契約サービスなら2万円〜6万円の収入印紙の貼付が不要だと書いています。

5,000万円を超える借入なら6万円の差です。電子契約を選べるか、どの書類まで電子で済むかは、本審査の承認が出た時点で担当者に確かめておくと日程も組みやすくなります。

紙の契約と電子契約の違い

紙の契約書
印紙税
1,000万円超5,000万円以下で2万円、5,000万円超1億円以下で6万円
手続き
来店して読み合わせ・署名・押印
電子契約
印紙税
貼付が不要(三菱UFJ銀行・りそな銀行の案内)
手続き
画面で内容を確認して電子署名。期限は銀行ごと
法律上の扱い
電磁的記録の消費貸借も書面とみなす(民法587条の2第4項)

図:電子契約なら印紙はいらず、法律上も書面の契約と同じ扱いになる。

金消契約書で読んでおく条項|繰上返済・期限の利益・損害金

契約書の文面は銀行やローンごとに違っても、どの契約にも入っている条項はほぼ決まっています。ここでは、ドコモSMTBネット銀行が公開している「フラット35一般条項集」を例に読みます。

フラット35一般条項集で読む5つの条項(ドコモSMTBネット銀行)

条項書かれている内容(要旨)確かめること
第2条 繰上返済繰上返済日の1か月前までに通知。一部繰上返済は100万円以上自分のローンの最低額と手数料
第3条 期限前の全額返済義務使途以外に使う、承諾なく譲渡する、届け出ずに住まない等で一括返済を求められる転勤・賃貸に出すときの届出
第4条 延滞損害金遅れた額に年14.5%(365日の日割)引き落とし口座の残高
第5条 通知氏名・住所が変わったらすぐ通知結婚・引っ越しの届出
第11条 費用の負担契約証書の作成費用、抵当権の設定費用は債務者が負担印紙代・登記費用

中でも読み落としやすいのが住所の届出です。第3条2項では、住所変更の通知を怠って所在がわからなくなると、銀行の請求がなくても残りの借入を一括で返す義務が生じます。

延滞損害金の年14.5%も、普段の金利とはけた違いの数字です。引き落とし日の前日までに口座へ入金しておく。当たり前の段取りが一番の対策です。

変動金利なら「金利変動リスク等に関する説明書」も読む

ドコモSMTBネット銀行の契約書類には「住宅ローン金利変動リスク等に関する説明書」が入っています。変動金利で借りる人は、金利が上がったときに返済額がいつ・どれだけ変わるかを、この書類で確かめておきましょう。

5年ごとの返済額の見直しと上限125%の考え方なら、変動金利の5年ルール・125%ルールが詳しいです。

金消契約のあとで取り消し・変更はできる?

民法では、お金を受け取る前なら、借りる側から契約を解除できます。ただし、解除で銀行に損害が出たときは賠償を求められることがあります(民法587条の2第2項)。

住宅ローンの融資実行日は、物件の決済日に合わせて組まれています。ローンだけを取り消すと売買代金を払えなくなり、売買契約の側で違約金などの問題が起きかねません。迷いが出たら、銀行と不動産会社の両方へ早めに相談してください。

契約後から融資実行までに起きうる変化

金消契約から融資実行までに動くもの・動かないもの

項目金消契約のあと根拠・確認先
適用金利実行日の金利になる各行の金利の案内
借入額・返済期間契約書の内容で確定変えたいときは銀行に相談
申込内容(勤務先・借入状況)変わったら銀行に伝える申込時の内容が審査の前提

勤務先が変わる予定や新しい借入の予定があるなら、契約前の段階で銀行に伝えておくと安全です。転職と審査の関係は転職すると住宅ローン審査に通らない?にまとめました。

金消契約の前後で確かめる順番

  • 本審査の承認が出た
  • 1電子契約を選べるか、契約の期限はいつかりそな銀行は借入希望日の5営業日前まで
  • 2契約書の金額・返済日・振込先振込先は売主や不動産会社の口座
  • 3繰上返済・期限の利益・延滞損害金の条項住所変更の届出義務も確認
  • 4実行月の金利契約日でなく実行日の金利が使われる

取り消しは受け取り前なら可能だが、損害賠償と売買契約への影響がある

図:金消契約の前後は、期限・書類・条項・実行月の金利の順に確かめる。

よくある質問

Q1:金消契約とは何の略ですか?

金銭消費貸借契約の略です。住宅ローンでは、銀行からお金を借りて返す約束を書面で交わす契約を指します。銀行の案内で「住宅ローン契約書」「ご契約」と書かれているのも、この契約のことです。

Q2:住宅ローンの金消契約は決済日の何日前に結びますか?

期限は銀行ごとに違うので、借入先の案内で確かめてください。りそな銀行は電子契約を借入希望日の5営業日前まで。ソニー銀行(借換え)は、契約内容の確認を借入日の5日前までとしています。決済日が決まったら、その期限から逆算して日程を組むと慌てません。

Q3:金消契約の印紙代はいくらですか?

紙の契約書なら、借入額1,000万円超5,000万円以下で2万円です。5,000万円超1億円以下なら6万円(国税庁 No.7140)。電子契約なら印紙の貼付はいりません。

Q4:金消契約のあとに取り消しはできますか?

お金を受け取る前なら、借りる側から解除できます(民法587条の2第2項)。ただし銀行に損害が出れば賠償を求められることがあり、売買契約の決済にも影響します。まず銀行と不動産会社に相談してください。

Q5:金消契約をした日の金利で借りられますか?

適用されるのは融資実行日の金利です。ドコモSMTBネット銀行は、実際の適用金利は申込時でなく借入実行日の金利と明記しています。契約と実行の月がずれると、金利が変わることがあります。

まとめ

  • 金銭消費貸借契約(金消契約)は、住宅ローンのお金を借りて返す約束を書面で交わす契約
  • 2020年4月の改正民法で、書面や電子の消費貸借は合意だけで成立する
  • 本審査の承認後、融資実行の前に結ぶ。期限は銀行ごと(りそな銀行は5営業日前まで)
  • 適用金利は契約日でなく実行日の金利
  • 紙の契約書の印紙税は1,000万円超5,000万円以下で2万円。電子契約なら不要
  • 条項は繰上返済・期限の利益・延滞損害金(年14.5%の例)・住所変更の届出を読む
  • 受け取る前なら解除できるが、損害賠償と売買契約への影響がある

金消契約は、借入の条件が紙の上で固まる最後の場面です。まずは借入先に、電子契約を選べるかと契約の期限を聞いておくと、その後の段取りが一気に楽になります。

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免責事項

※本記事は国税庁の印紙税額一覧表、民法の条文、法務省・各金融機関の公表資料(2026年10月7日に確認)をもとに整理した一般的な解説です。契約の期限・必要書類・条項・手数料は金融機関とローン商品により異なります。契約や取り消しの判断は借入先の最新の案内をご確認のうえ、必要に応じて司法書士・弁護士・ファイナンシャルプランナー等の専門家へご相談ください。

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この記事を書いた人

マイホームを買ったとき、銀行にすすめられるまま住宅ローンを契約したTetsuyaです。3年間「こんなものか」と返済を続けていましたが、同僚の借り換え話を聞いて試算サイトに数字を打ち込んだとき、35年で約300万円も損をしかけていたと気づきました。そこからメガバンク・地銀・ネット銀行を含む10行以上の仮審査を自分で回すと、同じ年収・同じ物件でも金利や団信、諸費用がこれほど違うのかと驚かされました。最終的に借り換えを実行し、毎月の返済額と総返済額を圧縮できました。このサイトでは、変動か固定かの考え方、団信の選び方、借り換えのタイミング、住宅ローン控除の使い方を、専門用語をできるだけ避けて整理しています。仮審査は無料です。まずは自分の条件で数字を出してみてください。

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