この記事でわかること
- 変動金利にした人の割合は住宅金融支援機構の調査で約7〜8割(2026年1月調査75.0%・出典明記)。直近はやや低下
- 変動が選ばれる3つの理由と、選んだ人が見落としがちな盲点(5年/125%ルールの誤解・元金が減らないリスク)
- 変動を選んだ後に後悔しないためにやるべきことをチェックリストで(ストレステスト・繰上原資・固定切替ライン)
- 「みんなが選んでいるから安心」ではなく、上昇局面を前提に自分の家計で耐えられるかが判断軸
変動で組んで大丈夫か、自分の家計で具体的に試算したい方へ。返済計画はFPに無料で整理してもらえます。
結論:変動金利にした人は約7〜8割、ただし「みんなが選ぶ=安心」ではない
変動金利にした人の割合は、住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者調査」で2026年1月調査が75.0%、その前の2025年4月調査が79.0%でした。直近の数年はおおむね7〜8割が変動を選んでいます。
つまり、変動は多数派です。ただし「多くの人が選んでいるから安心」とは言い切れません。低金利が続いた時期に選んだ人が多く、金利が上がり始めた局面では、選んだ後の備えが結果を分けます。
この記事で押さえる3つの軸
- 割合:いま実際に何割が変動を選んでいるか(公的調査の年次つき)。
- 理由と盲点:なぜ選ぶのか、そして選んだ人が見落としやすい落とし穴。
- 選んだ後の行動:後悔しないために、契約後にやっておくべき備え。
なお、本記事は「割合・理由・選んだ後のリスク管理」に絞ります。今後の金利の見通しは住宅ローン金利が今後どうなるかで、変動か固定かの選び方そのものは固定金利と変動金利はどっちがいいかで扱っています。
変動金利にした人の割合は何割?公的データで確認
結論として、変動金利にした人は近年7〜8割で推移しています。ここでは推測ではなく、住宅金融支援機構の利用者調査の数値で確認します。
同機構の調査は、実際に住宅ローンを借りた人を対象にした公的な実態調査です。金利タイプの選択割合が定期的に公表されています。
住宅ローンの金利タイプ別 選択割合(住宅金融支援機構 利用者調査)
| 調査時期 | 変動型 | 固定期間選択型 | 全期間固定型 |
|---|---|---|---|
| 2026年1月調査 | 75.0% | 14.9% | 10.1% |
| 2025年4月調査 | 79.0% | 12.2% | 8.8% |
※住宅金融支援機構「住宅ローン利用者調査」より。2026年1月調査の対象は2025年4〜9月に借入れた人、2025年4月調査の対象は2024年10月〜2025年3月に借入れた人。割合は調査回ごとに変動します。
表からわかるのは2点です。変動が多数派であること、そして直近で変動の割合がやや下がったことです。
日本銀行が2024年3月以降に政策金利を引き上げた影響で、長く金利を固定できるタイプへ移った人が一定数います。割合は「固定的な事実」ではなく、金利情勢で動く点を押さえておきます。
なぜ変動金利を選ぶ人が多いのか(選んだ理由)
変動が選ばれる最大の理由は、当初の金利が低く月々返済が軽いことです。住宅価格が上がるなかで、毎月の負担を少しでも抑えたいニーズが背景にあります。
利用者調査でも、変動を選ぶ理由として「金利が低いから」が上位に挙がります。理由を整理すると、おおむね次の3つに集約されます。
- 当初金利の低さで月々返済を抑えられる
- 固定型より総返済額が小さくなりやすい
- 短期完済の予定なら上昇リスクの影響が限定的
1つ目は、変動の当初金利が固定型より低いケースが多く、同じ借入額でも月々が軽くなる点です。総務省の家計調査でも住居費は家計の大きな割合を占め、毎月の固定費を下げたい動機は強く働きます。
2つ目は、金利が大きく上がらなければ総返済額が固定型より小さく収まりやすい点です。3つ目は、繰上返済で早期完済を見込む人にとって、上昇の影響を受ける期間が短くて済むという考え方です。
ただし、これらの理由はいずれも「金利が大きく上がらなければ」という前提に立っています。前提が崩れたときに何が起きるかを、次で確認します。
変動を選んだ人が見落としがちな盲点
変動の理由はもっともです。一方で、選んだ人が見落としやすい盲点もあります。メリットと盲点は表裏の関係にあります。
ここを押さえておくと、「こんなはずではなかった」という後悔を避けやすくなります。
選ぶ理由と、見落としがちな盲点の対照
| 選ぶ理由(メリット) | 見落としがちな盲点 |
|---|---|
| 当初金利が低く月々が軽い | 当初が低いだけで、上昇すれば月々は増える |
| 総返済額が小さくなりやすい | 上昇局面では総返済額が固定型を上回ることもある |
| 5年・125%ルールで急増を抑制 | 抑えた分は未払利息として後で精算・全行が採用ではない |
| 短期完済なら影響が小さい | 完済が長引くほど上昇リスクにさらされる |
特に誤解が多いのが5年ルール・125%ルールです。5年ルールは返済額の見直しを5年ごとにする仕組み、125%ルールは見直し時の上げ幅を直前の1.25倍までに抑える仕組みです。
ただし、抑えられたのは「毎月の支払額」であって、利息そのものが消えるわけではありません。増えなかった利息は未払利息として残り、後で精算されます。さらに、これらのルールを設けていない金融機関もあります。
もう一つの盲点が、上昇局面では元金が減りにくい点です。金利が上がると返済額のうち利息に回る割合が増え、同じ月々を払っても元金の減りが遅くなります。
変動を選んだ後にやるべきこと(後悔しないための備え)
ここが本記事の核心です。変動を選ぶこと自体は悪い選択ではありません。選んだ後に備えがあるかで、後悔するかどうかが決まります。
金融庁も、金利変動リスクを理解したうえで無理のない返済計画を立てることの重要性を繰り返し示しています。具体的には、次の4つを契約後すぐに整えておきます。
- 金利+1〜2%のストレステストで耐えられるか試算する
- 繰上返済の原資を別口座で確保する
- 固定への切替を検討する金利水準のラインを決めておく
- 数か月分の生活費を家計バッファとして持つ
後悔しないための行動チェックリスト
- ストレステスト:金利が今より1〜2%上がった場合の月々返済を試算し、その額でも家計が回るかを確認します。回らないなら借入額か返済期間の見直しが必要です。
- 繰上返済の原資確保:上昇局面では元金の減りが遅くなります。繰上返済で元金を前倒しで減らせるよう、原資を生活防衛資金とは別に積んでおきます。
- 固定切替ライン:「適用金利が◯%を超えたら固定を検討する」というラインを先に決めておくと、上昇時に慌てず判断できます。
- 家計バッファ:収入減や急な出費に備え、数か月分の生活費を手元に残します。返済に全額を回さないのが安全です。
たとえば、借入額4,000万円・35年返済で当初金利0.6%なら月々は約10.6万円です。これが3年後に1.6%、6年後に2.6%へ上がると、月々は1.7万円、3.4万円と段階的に増えます。
調査でも、月1万円程度の増加なら多くの人が対応できる一方、3万円以上の増加では「見当がつかない」という回答が最多でした。だからこそ、上がってから考えるのではなく、上がる前に試算しておくことが効きます。
金利が上がっても返せるかどうかの試算は、家計と一緒にFPへ無料で相談すると早道です。ストレステストや繰上返済の組み方まで整理してもらえます。
「変動にした人が多いから自分も」で決めない
割合のデータは安心材料になりますが、他人の割合は自分の家計の保証ではありません。同じ変動を選んでも、頭金・借入額・収入の安定度で耐えられる上昇幅は変わります。
判断軸は「みんなが選んでいるか」ではなく、「自分の家計が金利上昇に耐えられるか」です。次の前提が当てはまるほど、変動は選びやすくなります。
- 家計に余裕がある:金利が1〜2%上がっても返済を続けられる収支の人。
- 繰上返済の原資がある:上昇時に元金を前倒しで減らせる人。
- 短期完済の見込み:完済までの期間が短く、上昇リスクにさらされる期間が短い人。
逆に、返済負担率に余裕がない、貯蓄が薄い、完済まで長い、という場合は、固定期間選択型や全期間固定型も含めて比較する価値があります。
金利タイプそのものの違いは住宅ローン金利3タイプの違いで、いまの金利水準の捉え方は今が低金利のチャンスかで確認できます。借入額の上限は住宅ローンは年収の何倍かとあわせて見ておくと、無理のない設計に近づきます。
よくある質問
Q1:変動金利にした人はどれくらいの割合ですか?
住宅金融支援機構の利用者調査では、変動型を選んだ人の割合は2026年1月調査で75.0%、2025年4月調査で79.0%でした。近年は7〜8割が変動を選ぶ状態が続いています。
ただし、金利上昇局面に入った直近では、変動を選ぶ割合がやや低下しました。割合は金利情勢で動くため、最新の調査回で確認するのが確実です。
Q2:なぜ多くの人が変動金利を選ぶのですか?
最大の理由は当初金利の低さによる月々返済の軽さです。住宅価格が上がるなか、毎月の負担を抑えたい人が多いことが背景にあります。
固定型より総返済額が小さくなりやすい点や、短期で完済予定の人にとって上昇リスクの影響が限定的な点も、選ばれる理由です。
Q3:変動金利の5年ルール・125%ルールがあれば安心ですか?
5年ルールは返済額の見直しを5年ごとに、125%ルールは見直し時の上げ幅を直前の1.25倍までに抑える仕組みです。ただし、抑えられたのは支払額であって利息は消えません。
増えなかった利息は未払利息として後で精算されます。これらのルールを設けていない金融機関もあるため、契約条件の確認が欠かせません。
Q4:変動金利を選んで後悔しないために何をすればよいですか?
基本は4つです。金利が1〜2%上がっても返せるかを試算するストレステスト、繰上返済の原資の確保、固定への切替を検討する金利水準のラインを先に決めること、数か月分の生活費を家計バッファとして持つことです。
上がってから動くより、契約後すぐに備えておくほうが、選択を後悔しにくくなります。
Q5:いま変動を選んだら、すぐ固定に切り替えるべきですか?
一律に切り替えるべきとは言えません。切替には手数料や手続きの手間がかかり、固定の金利水準も上がっていることがあるためです。
先に「適用金利が◯%を超えたら固定を検討する」というラインを決めておき、そこに近づいたら家計とあわせて判断するのが現実的です。最新の見通しは金利動向の記事もあわせて確認してください。
- 変動金利にした人は近年7〜8割(住宅金融支援機構 2026年1月調査75.0%・2025年4月調査79.0%)。直近はやや低下
- 選ぶ理由は当初金利の低さ・総返済額の小ささ・短期完済。ただし上昇局面が前提から外れると盲点が表面化
- 5年/125%ルールは支払額を抑えるだけで利息は消えない。上昇局面では元金も減りにくい
- 後悔しない備えはストレステスト・繰上原資・固定切替ライン・家計バッファの4点
- 「みんなが選ぶから」ではなく自分の家計が上昇に耐えられるかで判断。迷うならFPに無料で試算してもらうのが確実
変動で組んで大丈夫か、金利が上がっても返せるかを具体的な数字で知りたい方は、無料FP相談で返済計画を整理するのが近道です。
※本記事は公開情報をもとにした整理です。金利・金利タイプの選択割合・各種ルールの内容は変動し、金融機関により取り扱いが異なります。借入額や金利タイプの最終判断は各金融機関の最新情報をご確認のうえ、必要に応じてFP・金融機関など専門家へご相談ください。
