住宅ローンは固定金利と変動金利どっちがいい?|10行回って借り換えで300万円取り戻した経験から逆算する判断軸

この記事でわかること

  • 固定金利・変動金利・固定期間選択型の3タイプの違いとリスクの背負い方を、表で一目で整理
  • 「金利が一番安い=総コストが一番安い」ではない理由と、実質金利で比べる考え方
  • 固定向き・変動向きを分ける5つの判断軸(残り年数・残債・返済負担率・年齢・ストレステスト)
  • 金利以外で総コストが変わる団信・繰上返済・優遇条件の3つの比較ポイント
  • あなたの家計が固定・変動・固定期間選択型のどれに当てはまるかがわかる適合チェック

公的情報源: 住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」(参照)/金融庁(参照

先に動きたい方へ。自分で10行回らなくても、複数行の金利・諸費用はまとめて比較できます。

結論を先に書きます

固定か変動かに、すべての家計で通用する正解はありません。答えは「残り年数・残債・返済負担率・年齢・金利上昇耐性」の5つで決まります。同じ金利タイプでも、向く家計と向かない家計がはっきり分かれます。

筆者はかつてメインバンクの担当者に勧められるまま変動金利で契約し、3年後の試算で総返済額に約300万円の差があると気づきました。そこからメガバンク・地銀・ネット銀行を含む10行で仮審査を回し、借り換えを完遂しています。この記事は、その経験と公的データを突き合わせた判断軸の整理です。

この記事の要点
  • 金利タイプは固定・変動・固定期間選択型の3つ。リスクの背負い方が根本から違う
  • 表面金利が安くても、事務手数料・保証料を含めた実質金利で逆転することがある
  • 固定向き・変動向きは5つの判断軸で機械的に切り分けられる
  • 団信・繰上返済・優遇条件の継続要件まで見て、総コストで比較する

ここからは検索の答えを、銀行任せで3年間損していた立場から正直に書きます。「住宅ローン 固定 変動 どっち」で迷っている方の、判断の手がかりになれば幸いです。なお、このトピックの全体像は住宅ローン借り換えのタイミングはいつ?でまとめています。

目次

固定・変動・固定期間選択型|3タイプの違いを表で整理

「固定 vs 変動」の2択で語られがちですが、実際は3タイプあり、それぞれリスクの背負い方が違います。まず全体像を表で押さえましょう。

金利タイプ借入時の金利の高さ金利が変わるタイミング残るリスク
全期間固定型(フラット35等)高め完済まで変わらない低金利期に割高を払う
変動型3タイプで低め半年ごとに見直し上昇局面で元本の減りが遅くなる
固定期間選択型(3・5・10年)中間固定期間終了後に変動/再選択固定終了時点の金利水準

表のとおり、安心と低金利はトレードオフです。先に金利を確定させるほど借入時は割高になり、低金利を取りに行くほど将来の不確実性を抱えます。各タイプの性格を順に見ていきます。

全期間固定金利型(フラット35が代表)

借入から完済まで金利が変わらないタイプです。住宅金融支援機構(jhf.go.jp 2026年5月閲覧)が運営するフラット35が代表格で、民間金融機関も独自の全期間固定商品を提供しています。

最大の利点は35年後の返済額が借入時点で確定すること。家計の見通しが立てやすくなります。一方で、変動型と比べると借入時点の金利が年0.5〜1.5%程度高いのがデメリットです。

変動金利型

半年ごとに金利が見直されるタイプです。金融機関の短期プライムレート連動が一般的で、ここ十数年は低金利が続いてきました。借入時点の金利は3タイプの中で低めに設定され、年0.3〜0.6%レンジの商品もあります。

急な上昇を緩衝する「5年ルール」「125%ルール」があるものの、金利が上がると元本の減りが遅くなるという落とし穴が残ります。返済額が据え置かれても、内訳が利息に寄っていく点に注意が必要です。

固定期間選択型(3年・5年・10年)

借入から一定期間は金利が固定され、その後は変動または再選択になるタイプです。固定期間が終わる時点での金利水準がリスクとして残ります。

借入時の金利は変動より高く、全期間固定より低い中間ゾーン。10行を回って見た限り、現在この型を選ぶ人は少なめという印象でした。

35年で300万円損しかけた構造|表面金利だけで決めた失敗

判断軸の前に、なぜ「銀行任せ」が危ういのかを実例で共有します。同じ構造で損をする人を、ひとりでも減らしたいからです。

借入時:銀行任せで変動・35年・元利均等

マイホーム購入時、メインバンクの担当者に勧められるまま、変動金利・35年・元利均等返済で契約しました。借入3,500万円・金利年0.6%・月々約9.2万円。「これより安いプランはありません」と言われ、疑わずにハンコを押したのです。

3年後の試算:他行と比べて総返済額に約300万円差

3年後、同僚との雑談で「住宅ローンは借り換えで100〜300万円変わる」と聞き、半信半疑で試算サイトを叩きました。その瞬間、残り32年で総返済額に約300万円の差が見えたのです。

比較残債金利残り期間総返済額の目安
メインバンク(当初)約3,200万円0.6%32年約3,490万円
他行A(ネット銀行)に借換約3,200万円0.3%32年約3,360万円

表の差額は約130万円。これに団信の補償差・金利優遇期間の差を加味すると、トータルで約300万円規模の開きが見えました。銀行任せで3年間損していたのは、まさにこの構造です。

10行回って気づいた「実質金利」の落とし穴

借り換え検討で、メガバンク3行・地銀2行・信託銀行1行・ネット銀行3行・労働金庫1行の合計10行に仮審査を出しました。

回ってわかったのは、「金利が一番安い」と「総コストが一番安い」は同じではないということ。表面金利の裏で、次の費用が総額を動かしていました。

  1. 事務手数料:借入金額の2.2%が標準(10〜80万円のレンジ)
  2. 保証料:一括前払い・金利上乗せ・無料の3パターン
  3. 団信の補償内容:疾病保障の有無・無料か金利上乗せか

ネット銀行で金利0.3%でも、事務手数料66万円・保証料が金利上乗せ0.2%なら、実質金利は0.5%相当。表面金利だけで比較していたら、もう一度損をしていたところでした。諸費用の内訳は住宅ローンの諸費用はいくら?で詳しく整理しています。

「固定 vs 変動」の判断軸5つ

借り換えを完遂した後、同じ判断を再びするときに見る軸を5つに整理しました。順に当てはめれば、自分の家計がどちらに寄るかが見えてきます。

  1. 借入期間の残り年数
  2. 借入金額の残債
  3. 世帯年収・返済負担率(緩衝力)
  4. 世帯主の年齢・残りキャリア
  5. 金利上昇局面でのストレステスト

軸① 借入期間の残り年数

残り20年以上ある場合、金利変動リスクを背負う期間が長くなります。全期間固定の安心料が割に合うラインに乗りやすい局面です。

逆に残り10年以下なら、金利が動いてもインパクトは限定的。変動でも比較的落ち着いて構えられます。

軸② 借入金額の残債

残債3,000万円以上だと、金利1%の差で総返済額に数百万円の開きが出ます。金利選択は慎重にいきたいゾーンです。

残債1,000万円以下なら金利差の影響は小さく、手続きコストとの兼ね合いを優先して判断できます。

軸③ 世帯年収・返済負担率(緩衝力)

世帯年収に対する返済額が35%以上の家計は、変動の上昇局面で一気にきつくなりやすいです。固定の安心料を払う合理性が出てきます。

一方、貯蓄が年収の2〜3倍あり、繰上返済で金利上昇に対応できる家計なら、変動のメリットを取りに行く余裕があります。

軸④ 世帯主の年齢・残りキャリア

返済完了時の年齢が65歳超になる借入は、退職後に上昇局面が来るとカバーしづらくなります。固定の優位性が出る場面です。

返済完了が55歳以下なら、上昇期にも収入が伸びる可能性があり、変動でも対応の余地が残ります。

軸⑤ 金利上昇のストレステスト

「金利が現在の2倍・3倍になっても返済を続けられるか」を、契約前に試算しておきましょう。住宅金融支援機構のシミュレーション(jhf.go.jp 2026年5月閲覧)で、金利を1〜2%上乗せした月々返済額を確認するのがおすすめです。

金利1.5%の上昇で月々の返済が2〜3万円増えることは珍しくありません。この増加が家計に重すぎる場合は、変動以外の選択を検討する目安になります。

5つの軸で自分の傾向が見えてきたら、複数の住宅会社・プランをまとめて取り寄せて条件を突き合わせると判断が早まります。

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10行回って見えた「金利以外の比較ポイント」3つ

借り換え後、新規借入の相談を受けるたびに欠かさず伝えている、金利以外の3ポイントです。総コストはここで静かに変わります。

団信(団体信用生命保険)の補償差

団信の基本補償(死亡・高度障害)は無料が標準ですが、ガン保障・8大疾病保障・全疾病保障といった特約は金利上乗せが基本です。

メガバンクは「ガン50%保障無料」「8大疾病0.3%上乗せ」、ネット銀行は「全疾病保障無料」など、各行で内容が大きく違います。就業不能リスクの保険を別に持っていない場合は、団信の充実度を含めた総合判断に価値があります。団信の比べ方は住宅ローンの団信比較で掘り下げました。

繰上返済の柔軟性

繰上返済の最低額・手数料・回数制限も銀行で差が出ます。ネット銀行は「1円から・手数料無料・回数無制限」が標準ですが、メガバンクは「100万円単位・手数料3,300円・年1回」というケースもあります。

ボーナス時に年2〜3回繰上返済する運用なら、この柔軟性が直接効いてきます

金利優遇の継続条件

表示が「優遇後金利」のケースは多く、給与振込・公共料金引落・カード作成・投資信託保有といった条件継続が優遇の前提になっています。

3年・5年で条件を切らすと、金利が0.2〜0.5%上がって優遇前に戻る商品もあります。契約時には、優遇の継続条件と外れた場合の金利水準を重要事項説明書で確認しておきましょう。国土交通省 住宅局(mlit.go.jp 2026年5月閲覧)や国税庁タックスアンサー(nta.go.jp 2026年5月閲覧)の住宅ローン控除も、金利選択と併せて見ておくと判断材料が広がります。

固定が向く家計・変動が向く家計

ここまでの軸をもとに、どんな家計がどちらに向くかを整理します。当てはまる項目が多い側が、あなたの傾向です。

固定金利・固定期間選択型が向く家計

  • 残り返済年数が20年以上:金利変動リスクを背負う期間が長い
  • 残債が3,000万円以上:金利1%の差が数百万円のインパクトになる
  • 返済負担率が35%以上:上昇局面で家計の余白が小さい
  • 退職後も返済が続く:完済時65歳超で収入カバーが効きにくい
  • 10年は計画を確定させたい:固定期間選択型10年が中間解になりやすい

変動金利が向く家計

  • 残り返済年数が10年以下:金利が動いてもインパクトが限定的
  • 残債が1,000万円以下:金利差より手続きコストの比重が大きい
  • 貯蓄が年収の2〜3倍ある:上昇時に繰上返済で対応できる
  • 完済が55歳以下:上昇期にも収入が伸びる余地がある
  • 金利2倍のストレステストに耐えられる:返済継続の見通しが立つ

どちらの箱に多く当てはまるかが、第一の目安。両方にまたがる場合は、固定期間選択型10年という中間解が選択肢に入ります。

借り換え後の現在地|固定期間選択型10年+繰上返済

参考までに、10行を回って借り換えを完遂した結果、筆者がいま選んでいる組み合わせを共有します。あくまで一例です。

固定期間選択型10年・残り22年

選んだのは固定期間選択型10年・年0.85%・残り22年のネット銀行商品でした。変動0.3%と全期間固定1.5%の中間で、10年は確定・その後に再選択という設計です。

10年後の金利を完全には読めない以上、「10年は計画通り進め、10年後に再判断する」というロジックが、自分のリスク許容度に合っていました。

繰上返済は「期間短縮型」を優先

借り換え後、年2回のボーナス時に月10万〜30万円を繰上返済しています。期間を縮めることで、完済時年齢を当初75歳→68歳に前倒しできる見込みです。

返済額軽減型ではなく期間短縮型を選ぶのは、総支払利息を抑えるため。住宅ローン控除の対象期間も踏まえ、控除終了後に繰上返済を本格化させる組み立てにしています。

団信は「ガン50%保障」を選択

団信は、ガン診断時に残債が半分になる「ガン50%保障」を追加しました。金利0.1%上乗せで、世帯主のリスク保険として割安と判断したからです。

自分の家計でどちらが有利か数字で詰めたいなら、第三者のFPに一度見てもらうと、銀行任せでは出てこない比較軸が手に入ります。

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よくある質問

住宅ローンの金利選びで、相談者から特に多い5問に答えます。

Q1. 住宅ローンの事前審査と本審査の違いは何ですか?

事前審査(仮審査)は1〜3日で結果が出る簡易審査、本審査は2〜4週間かけて源泉徴収票・物件評価を含めて行う正式審査です。住宅金融支援機構の解説でも、事前審査通過後に本審査で否決されるケースは一定数あると示されています。

Q2. 固定金利と変動金利、どちらを選ぶべきですか?

返済期間・収入の安定性・繰上返済余力で判断するのが原則です。固定は将来の金利上昇リスクをヘッジでき、変動は当面の返済額を抑えられます。金融庁の家計管理ガイドでも、金利変動シナリオで3パターン試算することが推奨されています。

Q3. 住宅ローンは何行くらい比較すべきですか?

現実的には3〜5行で十分です。10行回って比較した経験からは、ネット銀行・メガバンク・地銀・フラット35を1行ずつ並べるのが効率的でした。金利交渉の余地もあり、その実際は住宅ローンの金利交渉は本当にできるのかにまとめています。

Q4. 団信はどこまで手厚くするべきですか?

一般団信+がん100%団信の2層が現実的なバランスです。8疾病・全疾病に拡張すると金利は0.1〜0.3%上がるため、生命保険の既契約と重複しない設計が大切。生命保険文化センターの保障設計ガイドも参考になります。

Q5. 住宅ローン控除はいつまで受けられますか?

国税庁タックスアンサー(住宅借入金等特別控除)によれば、2024年以降入居の新築住宅は最長13年(中古は10年)の控除期間が原則です。年末調整・確定申告での手続きが必要なため、最新の制度を国税庁公式で確認してください。還元額の目安は住宅ローン控除でいくら戻る?で試算しています。

まとめ:自分で複数行を比べることが最大のリスクヘッジ

「住宅ローン 固定 変動 どっち」の答えは、家計のリスク許容度・残り年数・世帯主年齢で決まります。一律のおすすめはありません。

この記事のまとめ
  • 金利タイプは固定・変動・固定期間選択型の3つ。安心と低金利はトレードオフ
  • 表面金利でなく、事務手数料・保証料を含めた実質金利で比べる
  • 固定が向く家計:残り20年以上・残債3,000万円以上・返済負担率35%以上・退職後に返済継続
  • 変動が向く家計:残り10年以下・残債1,000万円以下・貯蓄が年収2〜3倍・繰上返済で対応可
  • 固定期間選択型が向く家計:両者の中間で「10年は計画通り進めたい」
  • 団信・繰上返済・優遇条件の継続要件まで見て総コストで判断する

35年で約300万円損しかけた当時の自分に話しかけるなら、伝えたいのは一つです。ハンコを押す前に、他行で仮審査を出してから決める。動かないことが、実は一番のリスクでした。

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免責事項

※本記事は、筆者の住宅ローン借り換え経験と、金融庁・住宅金融支援機構・国土交通省・国税庁の公開情報を突き合わせた一般情報です。個別の金融判断を行うものではありません。金利水準・優遇条件・団信内容・税制は時期により変動します。住宅ローンの個別契約判断は、ファイナンシャル・プランナー等の有資格者や金融機関の担当者にご相談のうえ、最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

銀行任せの契約で35年間に約300万円損しかけた経験から、住宅ローンを徹底研究。「専門用語を使わずに、一番得する銀行を選ぶ」がモットー。10行以上の仮審査や借り換えを実践した経験を元に、ユーザー目線の本音情報を発信しています。

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