個人再生で住宅ローンと家を残せる?住宅ローン特則の要件と注意点を解説【2026年】

個人再生は家を残しながら他の借金を減らせる債務整理。ただし住宅ローン本体は減らず払い続けます。住宅ローン特則の5要件、代位弁済後6か月以内なら巻き戻せる可能性、官報掲載や信用情報5〜7年のデメリットまで整理します。

この記事でわかること

  • 個人再生は「家を残しながら」ほかの借金を減らせる債務整理という位置づけ
  • ★最重要:住宅ローン本体は減らない(払い続ける代わりに家を残す)
  • 住宅ローン特則(住宅資金特別条項)の5つの主要要件
  • 代位弁済されても6か月以内なら「巻き戻し」で家を残せる可能性
  • メリット(家を残せる)とデメリット(官報・信用情報5〜7年)
  • 手続きは弁護士・司法書士の領域。まず無料相談で見通しを立てる

返済が苦しくて家を手放すか迷っている段階なら、まずお金の整理をFPに無料で相談すると、債務整理の前にできる選択肢も見えてきます。

目次

結論:個人再生は「家を残しながら」他の借金を減らす制度

個人再生は、裁判所を通して借金を大幅に圧縮し、原則3年(最長5年)で分割返済する債務整理の手続きです。その大きな特徴が、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を使えば家を手放さずに済む点です。

ここで最も誤解されやすいのが、「住宅ローン自体が減るわけではない」という点です。住宅ローン特則は、住宅ローンは従来どおり払い続ける代わりに、それ以外の借金(カードローン・クレジットなど)を圧縮する仕組みと理解するのが正確とされています。

つまり「家を残す」ための制度であって、「住宅ローンを安くする」制度ではありません。この前提を押さえたうえで、後述の5つの要件を満たせるかを確認するのが出発点になります。

なお、個人再生は裁判所への申立てを伴う法的手続きで、弁護士・司法書士の関与が前提になります。本記事は仕組みの整理を目的とし、最終的な可否や手続きは専門家への相談が必要です。

まず誤解を解く:住宅ローン本体は減らない

結論から言うと、住宅ローン特則を使っても住宅ローンの元本・利息は圧縮されません。減額の対象になるのは、住宅ローン以外の借金です。

「個人再生=住宅ローンも安くなる」と思って相談に行くと、見込みがずれてしまいます。ここを最初に正しておくことで、家計の見通しを立てやすくなります。

何が減って、何が減らないか

対象個人再生での扱い
カードローン・クレジット・消費者金融など大幅に圧縮される(目安として最大で大きく減る場合がある)
住宅ローン(住宅ローン特則を使う場合)減額されず、原則として従来どおり返済を続ける
滞納していた住宅ローン元の契約に戻し、滞納分はリスケ(分割)で立て直す形になりやすい

ポイントは、住宅ローンを「圧縮対象から外す」代わりに家を残すという交換条件である点です。住宅ローンの返済が今後も続けられる家計かどうかが、利用を検討する際の前提になります。返済が厳しいと感じ始めた段階の動き方は、住宅ローンの滞納が続くとどうなる?流れと対処も合わせて確認しておくと整理しやすくなります。

個人再生の基本(種類・圧縮の目安・返済期間)

個人再生には大きく2種類あり、どちらも借金を圧縮して原則3年で分割返済する点は共通です。住宅ローン特則は、どちらのタイプでも組み合わせて使えるとされています。

2つのタイプの違い(目安)

  • 小規模個人再生:個人事業主や会社員など幅広く対象。債権者の一定数の反対がないことなどが条件とされ、圧縮幅が大きくなりやすいタイプ。
  • 給与所得者等再生:給与所得など収入が安定している人向け。債権者の同意が不要な一方、可処分所得を基準にするため返済額がやや大きくなりやすいとされます。
  • 返済期間:原則3年(事情により最長5年)で分割返済するのが一般的とされています。

圧縮後の返済額は、借金の総額や保有資産(清算価値)などをもとに決まります。「いくらまで減るか」は個別事情で大きく変わるため、概算は専門家に試算してもらうのが確実です。どちらのタイプが向くかも、収入の安定度や債権者の構成によって判断が分かれます。

住宅ローン特則の主要要件(チェックリスト)

住宅資金特別条項を使えるかどうかは、いくつかの要件をすべて満たすかで決まります。1つでも外れると利用できない場合があるため、最初に全体像を押さえるのが効率的です。

5つの主要要件(目安)

  1. 住宅ローンであること:住宅の建設・購入・改良に必要な資金を、分割払いで借り入れたものであること。
  2. 本人の居住用であること:本人が所有し、床面積の2分の1以上を自分の居住用に使う建物であること。
  3. 住宅ローン以外の抵当権が付いていないこと:その家に、別の借金(カードローンや事業資金など)の担保が設定されていないこと。
  4. 住宅ローン債権の抵当であること:住宅ローン債権、または保証会社の求償権を担保する抵当権が設定されていること。
  5. 代位弁済から6か月以内であること:保証会社が代位弁済している場合、その日から6か月以内に申立てをしていること。

特に見落とされやすいのが③の「住宅ローン以外の抵当権」です。家を担保に別のローンを借りていると、住宅ローン特則が使えなくなる場合があります。要件は法律で細かく定められており、個別の登記内容によって判断が変わるため、適用可否の最終判断は弁護士・司法書士が行います。

要件を1つずつ確認する

ここでは、前章の要件を判断に効くポイントに絞って補足します。自分の状況がどこで引っかかりそうかを把握するための整理です。

要件ごとの確認ポイント

要件確認するポイント
住宅ローンであること投資用物件やセカンドハウスのローンは対象外になりやすい
本人の居住用床面積の2分の1以上が居住用か。店舗併用住宅は割合に注意
他の抵当権なし家を担保にした別の借入(おまとめ・事業資金等)がないか登記で確認
抵当権の種類住宅ローン債権または保証会社の求償権を担保しているか
代位弁済6か月以内保証会社からの代位弁済通知が届いていないか・日付の確認

たとえばペアローンや連帯債務のケースでは、一方の抵当権の扱いによって利用可否が左右されることがあります。夫婦それぞれが手続きを検討して対応する例もあるとされますが、判断は複雑です。登記事項証明書(法務局で取得)で抵当権の状況を確認し、早めに専門家へ相談するのが安全です。

「巻き戻し」とは?代位弁済から6か月の意味

住宅ローンの滞納が続くと、保証会社が代わりに金融機関へ返済する代位弁済が行われます。これが起きると、通常は競売などのリスクが一気に高まります。

ここで効くのが「巻き戻し」という仕組みです。代位弁済から6か月以内に再生手続を申し立てれば、代位弁済を「なかったこと」にして元の住宅ローン契約に戻し、住宅ローン特則を使える可能性があるとされています。

巻き戻しのイメージ(流れ)

  1. 滞納が続く:住宅ローンの返済が一定期間滞る。
  2. 代位弁済:保証会社が金融機関へ残りを一括で返済する(このまま放置すると競売リスク)。
  3. 6か月以内に申立て:この期間内に個人再生を申し立てると、巻き戻しの対象になり得る。
  4. 元の契約に復帰:代位弁済がなかった扱いになり、住宅ローンを払い続けて家を残せる可能性が出る。

6か月を過ぎると巻き戻しが使えなくなる場合があるため、滞納や代位弁済の通知が届いた段階での初動が重要です。「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、通知が来たら早めに相談先を確保しておくと、選択肢を残しやすくなります。返済が苦しくなったときの相談先は住宅ローンの返済が苦しいときの相談窓口も参考になります。

代位弁済の通知が届いた、滞納が続いている——そんなときは時間との勝負です。まずお金まわりの全体像を無料で整理して、専門家への相談に進む前の準備をしておきましょう。

無料FP相談で家計の見通しを整理する

メリットとデメリットを整理する

住宅ローン特則の最大の価値は、家を残しながら他の借金を減らせる点にあります。一方で、住宅ローン自体は軽くならず、信用情報などへの影響も残ります。両面を並べて判断するのが安全です。

メリット・デメリットの対照

メリットデメリット
家を手放さずに債務整理できる住宅ローン本体は減らず、満額の返済が続く
カードローン等の借金を大幅に圧縮できる信用情報に事故情報が登録される(目安5〜7年)
競売・差押えを止められる場合がある官報に氏名・住所が掲載される
原則3年で計画的に返済を立て直せる安定収入など利用条件・要件のハードルがある

家計が住宅ローンを払い続けられる見通しがあることが前提です。逆に、住宅ローン込みで返済が立ち行かない場合は、家の売却を含む別の選択肢を検討することになります。どの道を選ぶにせよ、メリットとデメリットを天秤にかけたうえで、専門家と一緒に判断するのが安全です。

官報・信用情報への影響と新規ローンの目安

個人再生をすると、信用情報機関に事故情報が登録されます。目安として5〜7年は、新たな借入やクレジットカードの審査に影響するとされています。

また、手続きの過程で官報に氏名・住所が掲載されます。官報は一般の人が日常的に見るものではないとされますが、掲載されること自体は理解しておく必要があります。

影響の目安(あくまで一般的な傾向)

  • 信用情報の登録:目安5〜7年。期間や扱いは信用情報機関(CICなど)で異なります。
  • 官報掲載:手続き過程で氏名・住所が掲載される。
  • 新規の住宅ローン:事故情報が消えるまでの目安5〜7年程度は、新たに別の住宅ローンを組むのは難しいとされます。

将来また住宅ローンを組みたい場合は、事故情報が消えてからが現実的な目安になります。とはいえ年数は機関や状況で変わるため、最新の登録期間はCICなどの信用情報機関で確認してください。借り換えや新規審査の通りやすさを左右する要素は住宅ローンの借り換え審査でみられるポイントも参考になります。

手続きの流れと専門家への相談

個人再生は裁判所への申立てを伴う法的手続きです。書類の準備や再生計画案の作成が必要で、弁護士・司法書士のサポートを受けながら進めるのが一般的です。

大まかな流れ(目安)

  1. 相談・受任:弁護士・司法書士に状況を伝え、個人再生や住宅ローン特則が使えそうか見通しを立てる。
  2. 申立て準備:住宅ローン契約書・返済予定表・不動産登記事項証明書などの書類を集める。
  3. 裁判所へ申立て:再生手続の開始を申し立てる(代位弁済済みなら6か月以内かを確認)。
  4. 再生計画案の提出:圧縮後の返済計画と住宅資金特別条項を盛り込んだ案を作成・提出する。
  5. 認可・返済開始:計画が認可されると、圧縮された借金を原則3年で返済し、住宅ローンは従来どおり払い続ける。

どの手続きが合うか(個人再生・任意整理・自己破産など)は借金の総額・収入・家を残したいかどうかで変わります。「家を残したい」が最優先なら住宅ローン特則付きの個人再生が候補になりますが、最終的な選択は専門家との相談で決めるのが安全です。無料相談を活用して、自分のケースで使えるかをまず確認しましょう。

個人再生が向くケース・慎重に検討したいケース

結論として、住宅ローン特則付きの個人再生は「家を残したいが、ほかの借金で家計が回らなくなっている人」に向きます。逆に、住宅ローン自体が重すぎる場合は別の選択肢も含めて考える必要があります。

向くケース・慎重に検討したいケース

向きやすいケース慎重に検討したいケース
家を残したい意思が強い住宅ローン込みで返済が立ち行かない
住宅ローンは払えるが他の借金が重い安定した収入の見込みが立てにくい
安定収入があり3年返済の見通しが立つ家に住宅ローン以外の抵当権が付いている
代位弁済から6か月以内に動ける投資用・セカンドハウスなど居住用でない

どちらに当てはまるか微妙なケースこそ、専門家への相談が効きます。家を残すことを優先するのか、家計全体の立て直しを優先するのかで、最適な手続きは変わります。判断材料として、まず家計とお金の整理から始めると、相談がスムーズになります。

よくある質問

Q1:個人再生をすると住宅ローンも減りますか?

住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を使う場合、住宅ローン本体は減額の対象外で、原則として従来どおり払い続けます。減らせるのは住宅ローン以外の借金(カードローン・クレジットなど)です。

住宅ローン特則は「家を残す代わりにローンは払い続け、ほかの借金を圧縮する」制度と理解するのが正確とされています。具体的な圧縮幅や可否は個別事情で変わるため、弁護士・司法書士に確認するのが確実です。

Q2:住宅ローン特則を使える主な要件は?

主な要件として、住宅の建設・購入・改良の資金を分割払いで借りた住宅ローンであること、本人が所有し床面積の2分の1以上を自己の居住用に使う建物であること、住宅ローン以外の借金の担保(抵当権)が住宅に付いていないこと、住宅ローン債権または保証会社の求償権を担保する抵当権が設定されていること、保証会社の代位弁済から6か月以内に申立てをしていることなどが挙げられます。

いずれも目安で、適用可否の最終判断は専門家が行います。登記内容など個別の事情で結論が変わるため、自己判断せず相談するのが安全です。

Q3:保証会社が代位弁済した後でも家を残せますか?

保証会社が住宅ローンを代位弁済した場合でも、代位弁済の日から6か月以内に再生手続を申し立てれば、「巻き戻し」によって代位弁済をなかったことにし、住宅ローン特則を利用できる可能性があるとされています。

6か月を過ぎると利用できなくなる場合があるため、滞納が続いて代位弁済の通知が届いたら、早めに弁護士・司法書士へ相談するのが安全です。初動の早さがそのまま選択肢の幅につながります。

Q4:個人再生をすると信用情報や官報にはどう載りますか?

個人再生をすると信用情報機関に事故情報が登録され、目安として5〜7年は新たな借入やクレジットの審査に影響するとされています。また手続きの過程で官報に氏名・住所が掲載されます。

新たに別の住宅ローンを組めるようになる目安も、事故情報が消えるまでの5〜7年程度とされますが、機関や状況で異なります。最新の登録期間はCICなど各信用情報機関で確認してください。

この記事のまとめ
  • 個人再生は家を残しながら、住宅ローン以外の借金を大幅に圧縮して原則3年で返済する債務整理
  • ★最重要:住宅ローン本体は減らない。住宅ローンは払い続ける代わりに家を残す制度
  • 住宅ローン特則の主要要件は本人の居住用・住宅ローン以外の抵当権がない・代位弁済から6か月以内など
  • 代位弁済されても6か月以内なら「巻き戻し」で家を残せる可能性がある
  • デメリットは住宅ローンは満額継続・官報掲載・信用情報5〜7年。手続きは弁護士・司法書士の領域

家を残せるか、ほかの選択肢が良いか——判断の前に、まず家計とお金の全体像を無料で整理しておくと、専門家への相談がぐっとスムーズになります。

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※本記事は公開情報をもとにした一般的な整理であり、特定の手続きの結果を保証するものではありません。個人再生・住宅資金特別条項の要件や適用可否、法的手続きは事案ごとに異なります。実際の手続きは弁護士・司法書士などの専門家の領域です。信用情報の登録期間など最新の情報は各信用情報機関・公的機関の公式情報をご確認のうえ、具体的な判断は専門家へご相談ください。

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この記事を書いた人

銀行任せの契約で35年間に約300万円損しかけた経験から、住宅ローンを徹底研究。「専門用語を使わずに、一番得する銀行を選ぶ」がモットー。10行以上の仮審査や借り換えを実践した経験を元に、ユーザー目線の本音情報を発信しています。

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