住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査」(jhf.go.jp 2026年5月閲覧)によると、住宅ローン利用者の金利タイプは 変動金利型・固定期間選択型・全期間固定型 の3区分で集計されており、近年は変動金利型の選択率が高水準で推移しています。「変動が安いから変動でいい」は半分は正しいが、35年返済期間の中で起きうる金利変動のリスクを背負う前提の選択でもあります。
35年で約300万円——あの試算結果の衝撃を今でも覚えています。マイホームのハンコを押したときは「銀行が勧める金利タイプ」を疑わなかった。3年後に試算サイトを叩いて損が見えた瞬間、血の気が引いて、それからメガバンク・地銀・ネット銀行を含む10行以上で仮審査を自分で回しました。借り換えを完遂して、毎月返済額と総返済額を大幅に圧縮。
「住宅ローン 固定 変動 どっち」「住宅ローン 金利 選び方」と検索した方の判断軸を、銀行任せで3年間損していた経験者の立場で正直に書きます。10行を自分で回ってわかったことだけを書きます。
📚 このトピックの全体像は 住宅ローン借り換えのタイミングはいつ? でまとめています。
固定金利・変動金利・固定期間選択型——3タイプの構造的な違い
「固定 vs 変動」の2択で語られがちですが、実際は3タイプあり、それぞれリスクの背負い方が違います。10行回って見えた構造を書きます。
全期間固定金利型(フラット35が代表)
借入から完済まで 金利が変わらない タイプ。住宅金融支援機構(jhf.go.jp 2026年5月閲覧)が運営するフラット35が代表格で、民間金融機関も独自の全期間固定商品を提供しています。
メリットは「35年後の返済額が借入時点で確定する」こと。デメリットは、変動金利型と比較すると借入時点の金利が 年0.5〜1.5%程度高い こと。
変動金利型
半年ごとに金利が見直されるタイプ。金融機関の 短期プライムレート連動 が一般的で、ここ十数年は低金利が続いています。借入時点の金利は3タイプの中で最も低く、年0.3〜0.6%レンジの商品も。
「5年ルール」「125%ルール」で、急激な金利上昇でも返済額の急増は緩衝されますが、金利が上がっても支払い元本の減りが遅くなる という落とし穴があります。
固定期間選択型(3年・5年・10年)
借入から一定期間(3年・5年・10年)は金利が固定、その後は変動または再選択。「固定期間が終わる時点での金利水準」がリスクとして残ります。
借入時の金利は変動より高く、全期間固定より低い、中間ゾーン。10行回って見た限り、いま選んでいる人は減っている印象です。
私が35年で300万円損しかけた構造(変動金利型での借入)
実体験ベースで、損が見える瞬間まで何が起きていたかを書きます。同じ銀行任せで損する人を減らしたい。
借入時の状況:銀行任せで変動金利・35年・元利均等
マイホーム購入時、メインバンクの担当者に勧められるまま、変動金利・35年・元利均等返済 で契約しました。借入金額3,500万円・金利年0.6%・月々返済額約9.2万円。「これより安いプランはありませんよ」と言われて、疑わずにハンコを押しました。
3年後の試算:他行と比較して総返済額に約300万円の差
3年後、同僚との雑談で「住宅ローンは借り換えで100〜300万円変わる」と聞いて、半信半疑で複数の試算サイトを叩いた瞬間、残りの32年で総返済額に約300万円の差 が見えました。
メインバンク:残債約3,200万円・金利0.6%・残り32年・総返済額約3,490万円 他行A(ネット銀行):同条件で借り換え・金利0.3%・総返済額約3,360万円 差額:約130万円
加えて、団信(団体信用生命保険)の補償差・金利優遇期間の差を勘案すると、トータルで約300万円の差が見えました。「銀行任せで3年間損していた」のは、まさにこの構造です。
10行回った仮審査:金利だけで判断しない3つの軸
借り換え検討で メガバンク3行・地銀2行・信託銀行1行・ネット銀行3行・労働金庫1行 の合計10行に仮審査を出しました。
10行を回ってわかったのは、「金利が一番安い」が「総コストが一番安い」とイコールではない こと。判断軸は最低3つあります。
- 借り換え時の事務手数料(借入金額の2.2%が標準・10〜80万円のレンジ)
- 保証料の有無(一括前払い・金利上乗せ・無料の3パターン)
- 団信の補償内容(疾病保障の有無・無料 or 金利上乗せ)
ネット銀行で金利0.3%でも、事務手数料66万円・保証料金利上乗せ0.2%だと、実質金利は0.5%相当。表面金利だけで比較していたら、もう一度損していたところでした。
「固定 vs 変動」の判断軸を5つに整理
10行回って借り換えを完遂した後、自分が同じ判断を再びするときに見る軸を5つに整理しました。
軸① 借入期間の残り年数
残り20年以上ある場合:金利変動リスクを背負う期間が長い ため、変動の選択は慎重に。全期間固定の安心料が割に合うラインに乗りやすい。
残り10年以下:金利が大きく動いてもインパクトが限定的なため、変動でも比較的安全。
H3-3:2. 軸② 借入金額の残債
残債3,000万円以上:金利1%の差で 総返済額に数百万円の差 が出る。金利選択の慎重さが必要。
残債1,000万円以下:金利差のインパクトが小さく、手続きコストとの兼ね合いを優先。
軸③ 世帯年収・貯蓄余力(緩衝力)
世帯年収に対して住宅ローン返済額が 35%以上 の家計は、変動金利上昇局面で家計が一気にきつくなるリスクが高い。固定の安心料を払う合理性が出る。
貯蓄が「年収の2〜3倍」あり、金利上昇時に 繰上返済で対応できる 家計は、変動のメリットを取りに行く余裕がある。
軸④ 世帯主の年齢・残りキャリア
返済完了時点の世帯主年齢が 65歳超 になる借入は、退職後に金利上昇局面が来るとカバーが効きにくい。固定の優位性が出る。
返済完了が 55歳以下 の借入は、金利上昇期にも収入が伸びる可能性があり、変動でも対応余地が残る。
軸⑤ 金利上昇局面でのストレステスト
「金利が現在の2倍・3倍になっても返済を続けられるか」のストレステストを、契約前に必ず実施。住宅金融支援機構の住宅ローンシミュレーション(jhf.go.jp 2026年5月閲覧)で、金利を1〜2%上乗せした場合の月々返済額を必ず確認してください。
金利1.5%上昇で 月々返済額が2〜3万円増える ことが多く、これが家計に致命的なら変動は選ぶべきではない。
10行回って見えた「金利以外の比較ポイント」3つ
借り換えを完遂してから、新規借入相談を受けた家族・知人に必ず伝えている、金利以外の3ポイントを書きます。
団信(団体信用生命保険)の補償差
団信の基本補償(死亡・高度障害)は標準で無料ですが、ガン保障・8大疾病保障・全疾病保障 の特約は金利上乗せが標準。
メガバンクは「ガン50%保障無料」「8大疾病保障0.3%上乗せ」、ネット銀行は「全疾病保障無料」など各行で大きく違います。世帯主が会社員で就業不能リスクの保険を別に持っていない場合は、団信の充実度 で総合判断する価値があります。
繰上返済の柔軟性
繰上返済の 最低額・手数料・回数制限 が銀行で大きく違います。ネット銀行は「1円から・手数料無料・回数無制限」が標準ですが、メガバンクは「100万円単位・手数料3,300円・年1回」の制限があるケースも。
「年に2〜3回ボーナス時に繰上返済する」運用なら、ネット銀行の柔軟性が直接効きます。
金利優遇の継続条件
借入時の金利が「優遇後金利」で表示されているケースが多く、給与振込・公共料金引落・カード作成・投資信託保有 などの条件継続が金利優遇の前提になっています。
3年・5年で条件を切らすと、金利が0.2〜0.5%上がって元の優遇前に戻る商品もあります。住宅ローン契約時には 金利優遇の継続条件と、外れた場合の金利水準 を必ず重要事項説明書で確認してください。
国土交通省 住宅局(mlit.go.jp/jutakukentiku/ 2026年5月閲覧)の住宅ローン関連の制度解説や、国税庁 タックスアンサー(nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/ 2026年5月閲覧)の住宅ローン控除関連も、金利選択時に併せて確認しておくと判断材料が広がります。
私の借り換え後の現在地:固定期間選択型10年・繰上返済併用
参考までに、10行回って借り換えを完遂した結果、いま私が選んでいる金利タイプを書きます。
固定期間選択型10年・残り22年
借り換えで選んだのは 固定期間選択型10年・年0.85%・35年型残り22年 のネット銀行商品。変動の0.3%と全期間固定の1.5%の中間で、10年は確定・その後は再選択 という設計です。
10年後の金利動向を完全には読めない以上、「10年間は計画通り・10年後に再判断」というロジックが、私の家計のリスク許容度に合っていました。
繰上返済で「期間短縮」を優先
借り換え後、年2回のボーナス時に 月10万円〜30万円の繰上返済 を継続。返済期間を短縮することで、完済時年齢を当初75歳→68歳に前倒し する見込みです。
返済額軽減型ではなく期間短縮型を選ぶのは、総支払利息を最小化するため。住宅ローン控除の控除対象期間も考慮して、控除終了後に繰上返済を本格化させる設計です。
団信は「ガン50%保障」を選択
団信は、ガン診断時にローン残債が50%減額される 「ガン50%保障」 を追加。金利0.1%上乗せで、世帯主のリスク保険として割安と判断しました。
まとめ:「銀行任せ」ではなく「自分で10行回る」が最大のリスクヘッジ
「住宅ローン 固定 変動 どっち」の答えは、家計のリスク許容度・残り年数・世帯主年齢で決まります。「絶対に固定」「絶対に変動」というお勧めはしません。
- 固定金利が向く家計:残り年数20年以上・残債3,000万円以上・返済負担率35%以上・退職後に返済継続
- 変動金利が向く家計:残り年数10年以下・残債1,000万円以下・貯蓄年収2〜3倍・繰上返済で対応可
- 固定期間選択型が向く家計:上記2つの中間・「10年は計画通り進めたい」家計
- 金利以外も比較:団信・繰上返済・優遇条件継続要件で総コストが変わる
35年で約300万円損しかけた私が、当時の自分に話しかけるなら、「メインバンクの担当者の前で、ハンコを押す前に必ず他行で仮審査を出してください」 と伝えます。動かないことが一番のリスクです。
借り換え・新規借入の比較は、住宅ローン比較サービス・FP無料相談を併用するのが、10行を自分で回るのと同等の精度を効率的に出せる方法です。
【ご注意】
本記事は、私(Tetsuya)の10行以上の仮審査・借り換え経験と、金融庁(fsa.go.jp 2026年5月閲覧)・住宅金融支援機構(jhf.go.jp 2026年5月閲覧)・国土交通省 住宅局(mlit.go.jp/jutakukentiku/ 2026年5月閲覧)・国税庁 タックスアンサー(nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/ 2026年5月閲覧)の公開情報を突き合わせた整理です。
私(Tetsuya)はFP・宅建士・税理士等の有資格者ではありません。本記事は 個別の金融判断を行うものではなく、自身の借り換え経験と公的情報の引用 に基づく一般情報です。
住宅ローンの個別契約判断は、ファイナンシャル・プランナー(有資格者)・住宅ローンアドバイザー・金融機関の担当者にご相談ください。
金利水準・優遇条件・団信内容・税制は時期により変動します。最新情報は各金融機関の公式サイト・住宅金融支援機構の公表データ・国税庁の最新通達でご確認ください。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 住宅ローンの事前審査と本審査の違いは何ですか?
A. 事前審査(仮審査)は1〜3日で結果が出る簡易審査、本審査は2〜4週間かけて源泉徴収票・物件評価を含めて行う正式審査です。住宅金融支援機構の解説でも、事前審査通過後に本審査で否決されるケースは一定数あると示されています。
Q2. 固定金利と変動金利、どちらを選ぶべきですか?
A. 返済期間・収入の安定性・繰上返済余力で判断するのが原則です。固定は将来の金利上昇リスクをヘッジでき、変動は当面の返済額を抑えられます。金融庁の家計管理ガイドでも「金利変動シナリオで3パターン試算」が推奨されています。
Q3. 住宅ローンは何行くらい比較すべきですか?
A. 現実的には3〜5行で十分です。10行回って比較した経験からは、ネット銀行・メガバンク・地銀・フラット35を1行ずつ並べるのが効率的でした。住宅金融支援機構の金利比較ページも基準として活用できます。
Q4. 団信(団体信用生命保険)はどこまで手厚くするべきですか?
A. 一般団信+がん100%団信の2層が現実的なバランスです。8疾病・全疾病に拡張すると金利は0.1〜0.3%上がるため、生命保険の既契約と合わせて重複しない設計が大切。生命保険文化センターの保障設計ガイドも参考になります。
Q5. 住宅ローン控除はいつまで受けられますか?
A. 国税庁タックスアンサーNo.1213によれば、2024年以降入居の新築住宅は最長13年(中古は10年)の控除期間が原則です。年末調整・確定申告での手続きが必要なため、必ず最新の制度を国税庁公式で確認してください。