住宅ローンの借り換えとは、
今借りている住宅ローン残高分を
別の金融機関に借りて一括返済し、
新しく借りた先に返済していくことです。
目的は当然、支払い利息の軽減。
今借りている住宅ローンよりも
金利が低いものに借り換えをすることによって
金利差の享受を受けて
今後の支払い利息を軽減させようというものです。
住宅ローンの借り換え手続きは、
新しいローンを組むこと同じで諸経費が必要になります。
ローン契約書印紙代、事務取扱手数料、
保証料、登記費用等がかかるので、
これらのコストも含めて、
返済総額の軽減効果があるかどうかを
チェックすることが必要です。
住宅ローンの借り換えが可能かどうか?
住宅ローンの借り換えに関して、
元々の借入先と新しい借入先によって、
借り換えが可能かどうかは下の表を参考にしてください。
現在の借入先 | 借り換え先 | 借り換え可or不可 |
---|---|---|
公的金融機関 | 民間金融機関 | 借り換え可 |
民間金融機関 | 民間金融機関 | 借り換え可 |
民間金融機関 | 公的金融機 | 借り換え不可 |
住宅ローンの借換が可能なのは民間金融機関のみです。
公的金融機関(住宅金融公庫など)では
借り換えでは利用できません。
また民間融資でも同じ金融機関内で
1つの住宅ローンから別の住宅ローンへは
借り換えできないことがあります。
過去1年間の住宅ローンの支払いに
延滞がある場合も借り換えができないことがありますのでご注意ください。
住宅ローンの借り換えの目安
住宅ローンの借り換えで得するのはどのようなケースでしょうか。
一般的にはローン残高1000万円以上、
返済残期間10年以上、
金利差1%以上が目安と言われています。
借り換えても返済額が少ししか軽減されないと、
借り換えに伴う諸費用のほうが高くつき
かえって損してしまうケースがあります。
住宅ローン残高による借り換え比較
住宅ローンの残高が多く残っている場合と、
残り少ない場合では、借り換えによるメリットはどちらが大きいでしょうか。
一般的にローン残高が2倍だと
軽減額は2倍以上になる可能性があります。
これは住宅ローンを新しく借りる際の手数料が、
ローン残高が2倍になったからといって手数料も2倍になるわけではないためです。
住宅ローンの返済期間による借り換え比較
返済残期間が長い場合と短い場合ですが、
実は返済期間の違いによる総軽減額は
さほど変わりがありません。
これは返済期間が短いほど
諸費用のうちローン保証料が少なくて済むためです。
返済期間が長いと総返済額の
軽減額が大きくなりますが、
保証料も増えるので相殺されてしまいます。
短期間で同じ軽減額を稼げるのであれば、
残期間が短いほうが得になります。
住宅ローンの金利差による借り換え比較
借り換えによる金利差ですが、
当然、金利の差が大きいほど総軽減額は大きくなります。
金利差1%と2%とでは
総軽減額に2倍以上の差がでることもあります。
これは金利の高低が諸費用に影響しないため、
総返済額の軽減額の差がダイレクトに
借り換え効果に現れるためになります。
もし金利の差が0.5%程度だと
軽減額もわずかであり、
住宅ローンの借換の手続きにかかる労力を考えると
あまりメリットがないかもしれません。
ローン残高にもよりますが、
返済残期間が10年より短くても
金利差が1%以上あれば借り換えを
検討してみる価値はあります。
返済残期間が長めでも
借り換え後の返済期間を短くするという方法もあります。
住宅ローン借り換えの種類
住宅ローンを見直しする場合、
月々の返済額を少なくする方法と
借入期間を短縮する方法の2つがあります。
自分の住宅ローンと家計の状況では
どちらが向くのかを考える事が大切です。
期間短縮型での借り換え
期間を短縮というのは、
借り換え後のローンの返済期間を
以前の返済最終年月より短く設定して借り換える事で、
返済期間が短くなればなるほど利息は減ります。
返済期間短縮は、一度行ってしまうと
返済期間短縮前の長い期間に戻すことはできないので、
十分な検討が必要になります。
期間短縮型での借り換えに向く人
- 家計に余裕があるので早く返済をしたい
- 総返済額を減らしたい
返済額軽減型での借り換え
返済額軽減型というのは、
借り換え後も期間を短縮せず、
月々の返済額を減らして借り換える方法です。
期間短縮型に比べて、総返済額は若干増加します。
月々の返済額を少なくしておくことは、
返済に余裕を持つことにつながるばかりでなく、
後で繰り上げ返済を考えたり毎月の返済額を増やしていくなど、
後々のライフプランに合わせて、
柔軟に対応していくことができるのです。
返済額軽減型での借り換えに向く人
- 月々の返済額を減らしたい
- 生活にゆとりを持ちたい